アメイジング・スパイダーマン

2012年
時間 136分
監督 マーク・ウェブ

亡き両親への思いを抱えて育った高校生のピーター・パーカー。両親と共同研究をしていたコナーズ博士を訪ねた時、オズコープ社で極秘研究されていた蜘蛛に噛まれて特殊能力を得る。育ての親である伯父が殺されたことでスパイダーマンとして活動を始めるピーター。そこへトカゲ人間のリザードが現れて町を恐怖に陥れる。スパイダーマンはリザードから町の人々を守れるのか!?

サム・ライミ版スパイダーマン4作目が中止になったことで、改めてリブートしてスタートした新スパイダーマン。リブートなのでもう一度蜘蛛に噛まれるところからやり直しているので、サム・ライミ版ファンからはどうしても比較されてしまうのはリブート版の宿命か。それでもスパイダーマンの衣装を着てスパイダーマンならでのブランコアクションをやってもらえると、またスパイダーマンに会えて嬉しい!という気持ちになるのが現金なファン心理。

アメイジングのスパイダーマンは蜘蛛の糸は自作のようです。蜘蛛の糸を出す装置を作って手首に装着して使うのですが(ウェブ・シューターと言うらしい)、昔見た漫画でもそうなっていたと思うので、この辺の設定に関してはアメイジングの方が原作に近いようです。両親のことにチラッと触れたり、伯父が亡くなるいきさつやスパイダーマンとして世間に認められる流れもサム・ライミ版とは少しずつ違うので、これはこれでスパイダーマンの物語の1つとして受け止めればいいのではと。

今作ではグウェンがヒロイン枠に。市警のステイシー警部の娘で、ピーターの同級生、オズコープ社の研修生でもある。なかなかハイレベルな設定です。学校やオズコープ社の見学などでピーターと親しくなっていく流れですが、ピーターに科学の知見があるのも仲が進んだ一因かな。しかし彼女の父は警部としてスパイダーマンにいい感情を持っていないようで…。

敵はトカゲ人間のリザード。見た目はかなり爬虫類っぽいので、特殊能力を持った人間と言うよりは怪獣の類に見える。ステイシー警部にゴジラと言われたのには笑った。しかしリザードの目的は暴れることではなく、ある企みを実行することだった。それを防げるか!?と言うところなのですが…。

<ネタバレ>

グウェンも師事しているオズコープ社のコナーズ博士。事故で片手を失い、細胞再生の研究をしている。ピーターが父の書類から見つけた数式を伝えたことでコナーズ博士の研究は成功──したかに見えた。が、その薬で再生された生物にはトカゲの性質が表れ凶暴性も増す欠点があった。自分の体で実験したコナーズ博士はリザードになってしまう。博士はその薬を散布し、全ての人間を博士と同じようにしようとする。それは不自由な体に苦しむ全ての人たちを治してあげたいと言う博士の夢が歪んだ形で暴走したものだった。

そこでグウェンが活躍! アメイジングのスパイダーマンはけっこう早くからグウェンにも皆さんにも正体バレバレです。グウェンはピーターに頼まれてオズコープ社で解毒剤を作る。スパイダーマンのために町中のクレーンが道を作って協力する展開は熱かった。スパイダーマンが間一髪で散布装置にセットされた生物剤を解毒剤にすり替えたことで、撒かれた解毒剤でリザードはコナーズ博士に戻る。

しかしグウェンの父はスパイダーマンを認める代わりに娘にはもう近づくなと言い残して逝く。ここはステイシー警部に言わせるのではなく、ピーター自身が気付くべきところだと思うのですが(ヒーローには危険も伴うから大切な人を危ない目にあわせないために身を引くこと)、今作のピーターはヒーローとしてはまだ未熟なのね…。だから「守れない約束もある」になっちゃう。ピーターが警部の約束の意味に気付くことが本当のヒーローへの一歩になると思うのですが、それは次作以降で描かれるのでしょうか。

余談。序盤でピーターのいじめ役として登場する同級生のフラッシュですが、ピーターが伯父を亡くした時、実は慰めようとしてくれていたことが分かり、ちょっと感動。グウェンの父の葬儀にも出ていたそうで、意外にいいやつではないか…。おかげで隠れフラッシュファンになりました(笑。