ヴェノム
年 | 2018年 |
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時間 | 112分 |
監督 | ルーベン・フライシャー |
過激な取材で人気のエディはライフ財団に人体実験への疑問をぶつけたことでクビになり、恋人にもふられてしまう。就職先の見つからないエディはライフ財団の研究者の手引きで財団の研究所に忍び込み、実験の証拠を撮ろうとするが、その時何かに寄生されてしまう。それは「ヴェノム」と名乗り、ヴェノムと一体化したエディは超人的な力を得るのだった。だがヴェノムの仲間は他にもおり、彼らは地球の乗っ取りを企んでいた…。
冒頭の宇宙船のCGで一瞬不安になりましたが、その後は普通に楽しめましたです。ヴェノムに関しては「スパイダーマンの敵だったよね…?」程度の知識で鑑賞。だからヴェノムって寄生生物のことかと思っていたら、個体名だったのでびっくり。その寄生生物全体の呼び名は「シンビオート」で、ヴェノムはシンビオートの一兵卒という立場らしい。シンビオートの隊長はライオットで、ヴェノムより強い。原作コミックは知りませんが、少なくともこの映画内ではそういう設定のようです。
彼らはライフ財団が宇宙から運んできた地球外生命体なので、当然地球人とは違う習性があり、人間を食べようとします。だから寄生後のエディの中では「人間喰わせろ!(byヴェノム)」「いや、人間食べちゃ駄目ー!(byエディ)」と葛藤?が起こりドタバタ。なお寄生には相性があるようで、相性が合わないと宿主の人間は死んでしまう。ヴェノムとエディは相性ばっちりだったようで、すっかりヴェノムに気に入られてしまうエディなのです。
ヴェノムのパワーは凄くて、エディはスーパーヒーローの力を手に入れたも同じになるのですが、相性のいい宿主を見つけて人間に巣くったシンビオートはヴェノムだけではなかった…。
<ネタバレ>
ライフ財団CEOのドレイクはシンビオートと合体することで人間は宇宙でも生きられる体になれると考えていた。そのための人体実験だったが、人間との合体はシンビオートの目的でもあった。シンビオートの隊長ライオットは宇宙船の墜落現場から逃げ出し、人間の体を渡り歩いて、ついに自分とベストマッチする体を見つけ出す。それがライフ財団のドレイクだった。
ドレイクはエディと合体して逃げ出したシンビオートを取り戻そうと、部下にエディを追わせていたが、自分が合体に成功してからはライオットに合意してシンビオートたちを地球に呼び寄せようとする。そんなことになったら地球は終わりだ。エディと、エディに共感していたヴェノムはライオットを阻止するために戦いに赴く。
人間から見たらヴェノムの力は凄いけど、上には上があるもんで、ヴェノムから見たらライオットはもっと強くてまずかなわない。合体すると宿主の情報も共有するようで、自らを「負け犬」と称するヴェノムはエディにかなり共感してたようす。推測ですが…ヴェノムは仲間の中では下っ端で、ライオットには日頃から見下され相手にされない境遇だったのではと。確かにアンが聞いてる側で自分たちの弱点「ある周波数の音に弱い」「火に弱い」をペラペラしゃべったりするところは、その場にライオットがいたら叱り飛ばされそうな迂闊っぷりですが、そういう人の良さもあるのであろう…(^^;。ヴェノムにとっては仲間といるより自分と似た境遇のエディの方が居心地良かったのかもしれない。
かくして戦いは強者の傲慢(ドレイク&ライオット)vs 弱者の怒り(エディ&ヴェノム)になるのであった…。
最後、地球と人類のために散ったか!?と思われたヴェノムですが、ちゃっかりエディの中で生きてましたね。よかった、よかった、と思えてしまう私であった…。てか、ヴェノム敵じゃなくて、ヒーロー誕生物語になってませんか、これ?