スパイダーマン3(サム・ライミ版)

2007年
時間 139分
監督 サム・ライミ

MJと交際しながらスパイダーマンとしても活躍し、順調な生活を送っていたピーター。だが、空から黒いスライムが落ちてきてピーターを取り込み、そこから全てが狂ってくる…。ピーターは何とかスライムを追い払うが、スライムは新たな宿主を見つけ、ヴェノムになる。サンドマンと共にスパイダーマンに挑むヴェノム。スパイダーマンは勝てるのか──。

初鑑賞は映画館で。やっぱりスパイダーマンはいいですね~。忙しい時でも最高の気分転換になる。スパイダーマンのビルからビルへ飛ぶアクションは見てるだけで癒されます。そして今作ではついにハリーが父の残したパワー増強剤でニュー・ゴブリンになる。ハリーは父のグライダーではなく空飛ぶスノーボードみたいなもので空中を自在に移動しますが、これがグリーン・ゴブリンとはまた一味違うかっこよさを出してる。

しかしスパイダーマンに挑むのはハリーだけじゃない。空から落ちてきた黒いスライムがピーターに取り憑いて黒いスパイダーマンになるのですが、これがピーターの負の心も増幅させる。おかげで、

こいつ誰だ

な凄いピーターを見られます。MJじゃなくても「あなた誰!?」って叫ぶわー。中の人の演技力もあるんだろうなあ、普段のピーターとは完全に別人(汗。これは見ものですよ。そしてこの黒いやつが…?

今回は敵も多彩で、サンドマンも登場。脱獄して逃亡中に素粒子物理研究所の実験に巻き込まれて体が砂状になり変幻自在のモンスターに。CGの見せ所ですね、ここはもうサンドマンの動きとアクションを堪能したい。やっつけても砂になるだけで何回でも復活するし、こんなのに本気出されたら勝てそうにないですが、敵にもきちんとドラマを作り込んでくるのがスパイダーマン。

ただ、ピーター、MJ、ハリー、サンドマン、ヴェノムに至るまで全キャラに手を抜かないドラマを入れてきたおかげで、ちょっとお腹いっぱいになったようなところはあるかも。それでもこれだけ複雑になった物語を最期にきちんと1つに収束させた手腕は大したものだと思います。

<ネタバレ>

今作にはグウェンも出てきます。映画館で見た時は知らなかったのですが、コミックの世界ではMJと並ぶスパイダーマンの恋人役だったのね。今作ではピーターと同じ教室の学生でカメラマンのエディと付き合っていたと言う設定。ところがスパイダーマンがグウェンを救ったことでエディが彼女を取られたとスパイダーマンを逆恨み。そこをスパイダーマンから離れたスライムにつけ込まれ、ヴェノムになってしまう。ヴェノムと化したエディはサンドマンを抱き込み、MJを人質に取って2人でスパイダーマンを追い詰める。スパイダーマン、ピーンチ! そこへハリーですよ!

今回はハリーとピーターの友情に素直に感動しました。ニュー・ゴブリンになってスパイダーマンに挑むハリー。一時的に記憶をなくしてみたり、ピーターとMJの仲を裂いてみたりとか色々あったハリーですが、執事に父の死の真相を聞くことで誤解が解け、最後はスパイダーマンのために駆けつけてくれました。それはもう主役はハリーか!?と突っ込みたくなるようなかっこよさでウルウル。ハリーとピーターのこじれた関係が親友に戻れてよかった。間違いがあっても許すことで道は開けていく──。

今作のテーマは「許し」ですね。これもメイおばさんの教えなので、メイおばさんはスパイダーマンの道標だなあ。

ピーターはサンドマンことマルコが伯父殺しの真犯人と知った時、復讐心を持ってしまう。そこにスライムが取り憑き、一時は黒スパイダーマンになってしまうピーターだが、MJを突き飛ばしたことで我に返り、スライムを振り切る。マルコにも色々と事情があった。病気の娘のためにお金が欲しかったこと、殺すつもりはなかったのに成り行きでピーターの伯父を撃つ結果になってしまったこと──。ピーターはサンドマンを許す。道は自分で選べるのだ。

女優業が上手くいかなくなっていたMJの悩みに気付けなかったピーター。そこから生まれた溝はまた新しくやり直していけばいい。ラストで抱き合うピーターとMJ。MJにメイおばさんの指輪を渡せる日はきっと来るよ。焦らずゆっくり愛を育んでいけばいいから。

このシリーズはピーターもMJもそんなに恵まれた環境ではないのも等身大の共感を呼ぶのかも知れません。子ども時代の境遇、苦学生のピーター、女優の夢が続かない現実に苦しむMJ。そんな彼らが頑張るからこそ応援したくなるのです。

*ところで。実はこの後スパイダーマン4が計画されていたようですが、諸事情で中止になりました。けど、この3作目できれいに完結できていると思うので(1作目の伯父の件を回収して解決できている)、サム・ライミ版スパイダーマン3部作として満足しています。

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