天使と悪魔

2009年
時間 138分
監督 ロン・ハワード

ローマ教皇が死去し次の教皇選出のためのコンクラーベが始まろうとする中、有力候補の4人の枢機卿が誘拐され、スイスの研究所からは反物質が盗まれた。犯行声明によると犯人は枢機卿を1人ずつ殺し最後は反物質でヴァチカンを滅ぼそうとしているらしい。ヴァチカン警察に協力を依頼されたラングトンが脅迫文の謎を読み解き枢機卿救出と犯人探しに挑む。

「ダ・ヴィンチ・コード」の続編という位置付けですが、話は1話完結方式になっていて前作を知らなくても問題はなく、ラングトンを主人公にした探偵推理シリーズの第2弾と思えばいいです。ムービープラスで見たのが初鑑賞。小説は未読なので映画のみでの感想になります。「ダ・ヴィンチ・コード」は歴史探究ロマンの要素も持っていましたが、今作は歴史ロマンよりもサスペンス中心になっている印象。犯行予告を追いながら謎解きしていくスタイルなので、目的がはっきりしているためか話の進行は分かりやすい。

今作ではスイスの研究所から来たヴィットリアが探偵冒険の相棒に。盗まれた反物質のためにヴァチカンに来ていて、ヴァチカン警察に呼ばれたラングトンと行動を共にすることになります。ヴァチカンは市の警察だけでなくスイス衛兵隊も警備に当たっていて、ちょっとややこしいですね。教皇側も枢機卿とかカメルレンゴ(教皇の秘書みたいなものらしい)とか馴染みのない言葉が出て来て、勉強になりましたです。

今回ラングトンが犯人ではと目星をつけたのがイルミナティ。今作内では科学を信奉する秘密結社で教会と対立していたとされてます。だからガリレオとかベルニーニ(彫刻家)がイルミナティのメンバーだったことになってる。ヴァチカンにはベルニーニが手がけた彫刻や建築が多数あり、謎解き=ベルニーニ作品巡り、みたいにもなってます。これはもうヴァチカン観光と美術鑑賞がセットになったお得!?な映画ツアーですねっ。

イルミナティは教会に復讐しようとしているのか、それとも他に目的があるのか? これは科学VS宗教の争いなのか? 今作でも実行犯は早くに姿を現しますが、そいつの雇い主が黒幕。怪しそうな方々も多いので推理を巡らしながら見るのも楽しいです。

<ネタバレ>

警察側にも教会側にも色々な人たちがいる。ラングトンを呼んだオリヴェッティ刑事。ラングトンを呼び寄せたのが面白くなさそうだったスイス衛兵隊のリヒター隊長。記録保管所でラングトンを見張る刑事。枢機卿が4人欠けてるのにコンクラーベを始めたシュトラウス枢機卿。シュトラウス枢機卿にこのまま教皇が決まらなければ貴方が…と耳打ちするシメオン神父。教皇に育てられカメルレンゴに就いているマッケンナ司祭。皆さん意味ありげに動かれるし、全員怪しく思えてくる。

犯人は誘拐した枢機卿に土・空気・火・水の順で焼き印を押し次々に殺めて行く。ラングトンは謎を解きながら犯行現場に先回りしようとするが、3人犠牲になってしまい、4人目のバッジア枢機卿をかろうじて救出。しかし実行犯(殺し屋)を車ごと爆破して始末してしまう雇い主(真犯人)、情け容赦ないな。真犯人が最後に大芝居を打った時は私も一瞬騙されました(^^;。しかし教皇の部屋に仕掛けられていた隠しカメラが真実を全て記録していた。リヒター隊長、疑ってすまんかった…。

教皇は科学に理解を示していたのですね。スイスの反物質実験も認めていた。だが真犯人は反物質は神を冒涜するものと考え認めることが出来なかった。だから科学を受け容れる教皇を自然死に見せかけて葬り、教会を自分の考えの方に向かせようとした。そのため真犯人が教会の敵としてでっち上げ設定したのがイルミナティ。それで捜査の目が眩まされていました。

科学と宗教には仲良くして欲しいなと思う。新教皇になったバッジア枢機卿は「ルカ(医者)」と言う名を選んだ。ヴィットリアはその名を「科学と宗教が融合した名」と評する。宗教も大事だろうけど、科学も大事です。どちらも大切にして下さい。

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