コクーン

1985年
時間 117分
監督 ロン・ハワード

老人ホームのベン、アート、ジョーは仲良し3人組で、ホーム隣の空き家のプールで泳ぐのが楽しみだった。ところがある日、空き家が誰かに借りられてしまい、プールには謎の岩のような物が入れられた。しかしプールに入りたい3人は隣人が留守の時を狙ってこっそり泳いでしまう。ところがそれ以来、まるで若返ったかのように体力が蘇り、病気も消えた…? 3人は妻も誘ってプールに入り、皆で若返りパワーを楽しむのだが…。

公開時に映画館で鑑賞。フロリダの老人ホームが舞台です。隣の空き家を借りたのは男3人、女1人の謎の4人組。彼らは27日間の契約でクルーザーも借りて海の中から何かを引き上げてはプールに運び入れている。老人ホームの3人は無断侵入になるのを分かりながらプールに忍び込んで若返りパワーを手に入れるのですが、ついに隣人に見つかってしまって…?

SFファンタジーの部類になると思いますが、心の触れあいや人間ドラマが中心で心温まるお話になってます。ベンたちもクルーザー船長のジャックも謎の隣人の正体を知った時は驚きますが、次第に彼らと打ち解け、友人になっていく。この辺は1985年の物語だけありますねー、敵対ではなくコミュニケーションと愛に重点を置いた作り。

そして老人ホームの住人たちのドラマを通して老いと死の問いかけも行っていく。3人組と対比するホーム仲間がバーニー。バーニーはベンたちに誘われても、自然の摂理に背くことへの抵抗があってプールに入れない。歳とったら体力が衰えてやがて死を迎える、それが正しい姿だと意固地になってしまう。もし若返れるなら永遠を手に入れられるならそれを選びますか、それとも自然のままに歳とって寿命を迎える方を選びますか──?

<ネタバレ>

謎の隣人の正体はアンタレス星から来た宇宙人。光る体を持つが、地球では人間の皮を被っている。アトランティスに沈んだ仲間を救出に来ただけで、地球人に敵意は持っていない。繭(コクーン)で眠っている仲間を蘇生させるパワーをプールに入れたので、そのパワーがベンたちにも若返りとなって効いた次第。

だがプールを受け容れられなかったバーニーは妻に死を迎えさせてしまう。そうなってから初めて妻の亡骸とプールに入り、妻の蘇生を願うがもう手遅れだった。泣き崩れるバーニー。意地を張らずにプールに入っていれば、妻をプールに入れてやればよかったと悔いたことだろう。でもバーニーが固辞した気持ちも分かる。自然の摂理に逆らわず天寿を全うするのも幸せではないかと思うもの。

アンタレス人はプールの秘密がばれて仲間の蘇生が無理になってしまったが、仲間を再び海に戻す代わりにベンたちに一緒に来ないかと言う。死のない永遠のアンタレス人の世界に。死を知らなかったアンタレス人が仲間とバーニーの妻から「死」を知ったことで、「死」から逃れられない地球人に「死のない世界」を知ってもらいたくなったのかなと思いました。

ベンは妻と共に旅立ちを決意。アートは老いらくの恋を実らせてベスとゴールインして一緒に旅立つことに。ジョーも妻と仲直り。1人の永遠より妻との半年には泣けます。そりゃ奥さんも一緒に行きましょうね!と言うよね。多くの老人たちがアンタレス人の誘いに乗ったが、バーニーは地球に残った。でもそれでよかったと思うよ、私がバーニーの立場だったらそうすると思うから。

永遠を選んだ人も限りある命を選んだ人も幸せにねと思う。選択に正解なんてない、一番の輝きは人生のドラマにこそあると思わせてくれたから。

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