ライフ

2017年
時間 104分
監督 ダニエル・エスピノーサ

ISS(国際宇宙ステーション)で火星探査機の回収が行われた。探査機のサンプルに生命反応があったことで喜び湧くクルーたち。さっそくサンプルを培養して研究を始めるが、カルビンと名付けられた生命体は急速に成長し、トラブルが発生する…。

宇宙ものという事前情報だけでレンタルして見てみた作品。舞台はISS。クルーは6人で日本人もおり、国際宇宙ステーションらしい顔ぶれ。ISS内の無重力の描写はよく出来てるし、冒頭の火星からの探査機のサンプルを回収するシーンなどは緊迫感もあり、宇宙が舞台の作品として真面目な本格路線に見える。しかし…?

クルーたちの描かれ方は、デビッドが宇宙に来た理由とかショウに子どもが誕生するところとか無重力なら足が不自由でも動けるヒューとか色々あるけど、6人全員に均等にスポットが当たってる感じで誰が主人公か分かりにくいところがあります。つまり、特定の誰かに感情移入しにくい。が、この後に続く展開を見ると、「そういうことだったのか~」と納得。

今作、前提には無理はないんですよね。現実に即した設定だし、もし生命反応のあるサンプルが発見されたら喜び湧くのは当然だし、相手は小さな細胞だし、研究するのも当然と思える。しかし未知のものには何があるのか…。ここから映画は想像たくましくなっていきます。

<ネタバレ>

カルビンちゃん、急成長して実験用マウスを喰らう! 人間襲って人間も喰らう! 喰ってどんどん大きくなる! かくして物語は閉ざされたステーション内でのパニックホラーものに。こんなものを地球に持ち込むわけにはいかないから、何とか退治しようと頑張るクルーたちですが、宇宙空間でも死なないし、知性も出て来て、どんどん犠牲になっていくクルーたち。カルビンちゃん、もうすっかり立派なエイリアンに育ちましたね。

悪戦苦闘の末、宇宙ステーションも機能停止し、最後の2人になったデビッドとミランダは脱出用ポッドにカルビンを誘い込み宇宙へ葬り去る計画を立てる。ポッドは2機あったので、デビッドが囮になりカルビンを宇宙へ、残る1機でミランダを地球へ帰すという作戦。

だが地球へ辿り着いたポッドの中から叫ぶ声は…。

ああっ、もしかしたらこうなるんじゃないかなーという悪い予感が当たって、言葉が分からず警告を無視して漁師が開けてしまった扉の中には…。

デブリに当たり軌道が狂って宇宙の彼方へ飛んでしまったのはミランダの方で、地球に到着したのはカルビンに操縦を乗っ取られたデビッドというオチ。最悪のバッドエンド!! ということで、これはカルビンちゃんがISSに拾われてそこで成長して地球にやってくるお話でした。クルーの中に主人公らしきキャラがいなかったのも納得です。今作の真の主人公はカルビンちゃんの方だったのだから。

でもこれ、見た直後は「うわっ趣味悪ー」と思ったけど、後になって考えてみると、前提が荒唐無稽でなかったからこそのバッドエンドだったかも…と思うようになりました。

これは映画なのでエンターテイメントするために分かりやすいモンスターで表現してますけど、宇宙から未知の何かが地球に持ち込まれるというのはもう現実的な話で、必ずしも絵空事ではないんですよね。探査機が宇宙へ飛び、実際に色々なサンプルを持ち帰る。そこに地球の生物によくない細胞とかウイルスとかが入ってる可能性はあるわけで…。もちろんこの話のメインはモンスターパニックホラーなのは明らかですけど(その点でもよく出来ていた)、現実的なオチにすることで考えさせてくれる作品にもなっているのでは…と思うのです。

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