グリーン・ランタン

グリーン・ランタン BD

2011年
時間 114分
監督 マーティン・キャンベル

3600人から成る全宇宙の守護者グリーン・ランタン。だが蘇った恐怖の化身パララックスとの戦に敗れたグリーン・ランタンの1人が地球に不時着、テストパイロットだったハルが彼の後継者に選ばれ、新たなグリーン・ランタンとなる。突然授かった超人パワーに戸惑うハルだが、地球がパララックスに襲われ、自分に与えられた使命と向き合うことになる。

タイトルだけは知っていて、公開時から見たいと思いつつなかなか見る機会がなかった作品。ザ・シネマで流してくれたのでやっと見ることが出来ました。主演のライアン・レイノルズがデッドプール2で自らネタにしていたので、そんなに黒歴史な作品なの?と思っていたのですが、実際に見てみると普通にヒーローもので楽しめました。

グリーン・ランタンって1人だけじゃなくて、宇宙警察みたいなもので、メンバーも全宇宙にたくさんいるんですね。宇宙を3600のセクターに分けて、それぞれを1人ずつ担当してるということらしい。彼らは「意思の力」が宿る指輪を持っていて、グリーン・ランタンになる者はセクター毎に指輪が選ぶ。パララックスと戦ったアビン・サーはセクター2814担当で、地球もそこに含まれているようです。アビン・サーの指輪がハルを選んだため、ハルがアビン・サーの後継者になった次第。

ここから、突然指輪に選ばれてしまったハルが一人前のグリーン・ランタンに成長していく話が描かれるわけですが、宇宙の守護者だけあってスケールは大きい。守備範囲も敵も地球だけに留まらないし、空を飛び宇宙空間も身一つで飛んでいく。これ、キャプテン・マーベルクラスでは? 指輪のパワーもインフィニティ・ストーン級みたいな…。「意思の力」で何でも具象化できるので、アクセサリーから武器・兵器まで作り放題というのは他にはないパワーで面白い。

DCコミックですが、2017年のジャスティス・リーグとは流れが違うので変なシリアスさや暗さはありません。ユーモアもあるし普通に明るくヒーローものとして順当な作り。この手の作品には深さなんて必要ない。ヒットしなかったそうですが、難しく考えずにこんなヒーローいたんだー、こんな力持ってるんだー、で楽しめれば十分ではないでしょうか。少なくとも変に小難しく暗いよりはずっといい。

<ネタバレ>

ハルの命題は恐怖の克服。父親の飛行機事故がトラウマになり、いざとなると怖くなって逃げてしまいがち。グリーン・ランタンになっても自分がそれにふさわしいのか分からなくて逃げ腰に。そのためヘクター(パララックスの細胞に感染して敵化)の父親を救えなかったハルだが、自分の中の恐怖を認めることで、恐怖を克服する。もう逃げない。パララックスの正体は「恐怖」だから、恐怖を克服した者には攻撃が通じなくなる。かくしてパララックスを太陽に葬ったハルは一人前のグリーン・ランタンになるのです。

弾丸を跳ね返しはしないけど、真空の宇宙を身一つで飛べるところはスーパーマンと渡り合えるヒーロー。ジャスティス・リーグにも参加してほしいですね、世界を広げてくれそうなキャラだから。

エンドロールにおまけあり。アビン・サーの友人シネストロが「恐怖」の指輪(イエロー・リング)をはめるシーンが。パララックスも元はガーディアンズ(グリーン・ランタンを組織した不死の種族)の一員で、「恐怖」を支配しようとして逆に取り込まれ怪物化したのだった。シネストロは「恐怖」を支配できるのか、それとも…?な含みを持たせた終わり方だったのですが、この続きは…作られないですよね、残念ながら(^^;。