スーパーマン リターンズ

スーパーマン リターンズ BD

2006年
時間 154分
監督 ブライアン・シンガー

惑星クリプトンを探しに行くため地球を去ったスーパーマンが5年ぶりに帰ってきた。ところがロイスは既に母親になり婚約者までいた!? その一方でレックス・ルーサーは釈放され金持ちの老婦人から財産を巻き上げて新たな悪事を始めようとしていた。自分が去った後のロイスの5年間が気になっていたスーパーマンだが、ルーサーの悪事に巻き込まれたロイスを救うため、スーパーマンとルーサーの宿命の対決が幕を開ける──。

最強の敵から19年後にスーパーマンが復活! スーパーマンも世の中の変化に驚いていましたが、スクリーンのこちら側では19後年ですから、もっともっと変化してたのよ!(IIから数えたら25年後よ!)
ロイスだけじゃない、私も母親になり、リターンズは息子たちと見に行くことになりました。まさか20年近く経ってからまた映画館でスーパーマンを見られる日が来るなんて思いもしなかった…。あの音楽が耳の中で鳴った時、私の心もタイムワープしてあの頃に戻ったかのようでした。もう物語が始まる前からキてしまって導入時点で既に涙(笑)。スター・ウォーズもそうですが、世代を超えてつながっていく映画ってそれだけで感慨深いです。

またキャストもよく出来てて、よくこれだけクリスファー・リーブの雰囲気を醸し出せる役者さんを見つけ出せたなと感心します。役者は違っても全体としてちゃんとスーパーマンの世界を表現できている。これならクリスファー・リーブも満足だろう。物語も単純明快&痛快な王道のヒーローものを踏襲し、さらに大人のラブロマンスがバランスよく加味されていて良し。そしてこの20数年の間に進化したCGが美麗で迫力ある映像となって迫る。細かい不満もなくはないけど、リーブのスーパーマンをこんな映像で見てみたかった!という部分が不満を補ってあまりあるので満足。懐かしくて新しい作品です。

<ネタバレ>

この話は「スーパーマンII 冒険篇」の5年後という設定だそうです。リーブファンとしてはIIIとIVをなかったことには出来ないですが、ここはパラレルということで。なぜ5年後なのか最初は分からなかったのですが、見ているうちに気付きましてね、ああそういうことだったのか!と。ロイスは子どもを産んだのに婚約者とは結婚していない、その不自然さにピン!と来るべきだったのですが、私も途中までは騙されてまして。それでも婚約者の子どもにしては年齢が大きすぎないかという辺りでだんだん「あれ?」と思い始め、最後まで見てやっぱりIIのあの一夜の時の子どもだったんだと分かりました。

ちなみにリターンズではリーブ版最初のスーパーマンで出て来た「息子は父になり父は息子に還る」をドナー版とは違う形で回収してますね。ドナー版では問題の一夜は時間戻しでなかったことになったので、これはレスター版の続編ということになります。しかしレスター版では「息子は父に…」の一件を回収出来ていない。ドナー版ではこの件の回収はスーパーマンが力を取り戻すために使われたのですが、リターンズではスーパーマンが父になりスーパーマンの力が息子に引き継がれていくことで回収してます。そう考えると子どもがいることにも必然性が生まれるので納得。リターンズが最初のスーパーマンと冒険篇の続編として機能していることもこれで分かります。

余談ですが、自分で息子を育てることが出来なかったジョー=エルの気持ちがこの時スーパーマンにも分かったんじゃないでしょうか。産みの父と育ての父の2人の父を持つスーパーマン。ならば息子も同じように2人の父を持てるだろう。スーパーマンがそうだったように息子もいつか自分が何者であるか気付く。だからスーパーマンは名乗らない道を選んだ。その時が来るまで。

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