スーパーマンII 冒険篇

劇場版 ドナー版
1981年 2006年
時間 127分 111分
監督 リチャード・レスター リチャード・ドナー

パリのエッフェル塔にテロリストが水爆を仕掛けた。取材に向かったロイスとパリを救うためにスーパーマンはエレベーターごと水爆を宇宙に葬り去る。だが、宇宙で爆発した水爆の影響でファントム・ゾーンに閉じ込められていたゾッド将軍ら3人が解放されてしまった。地球を征服に向かうゾッド将軍。自分と同じ力を持つゾッド将軍にスーパーマンは立ち向かえるのか──。

スーパーマンに新しい敵が現れた! しかも今回はスーパーマンと同じ力を持つ超人が3人も! これは盛り上がりますね。スーパーマンとゾッド将軍らとのバトルは手に汗握ったものです。そしてどんな時でも人助けは忘れないスーパーマン。このままでは周りの人たちに危害が及ぶと判断したスーパーマンは逃げると見せかけてゾッド将軍たちを北極の自分の基地に誘導します。そして…! どんでん返しのスーパーマンの知略ぶりも素晴らしい。そう、スーパーマンは頭もいいのです。ゾッド将軍、反逆を企てたにしてはちょっと頭が弱くないですか~。でもそこが愛嬌!?

スーパーマンのラブロマンスも胸を打つ。愛する人に正体を見破られそう、でも愛する人になら見破られても…いやいや、それは…どうしたら!? ヒーローには定番の葛藤劇。それを実に上手くゾッド将軍のパートに絡ませてきます。全体にバランス良くそつなく上手に構成された完成度の高い作品だと思います。

<ネタバレ>

この作品には大人の事情で前作のジョー・エルが出てきませんが、見た当時は全く気になりませんでした。あ、前回はお父さんだったから今回はお母さんの番なのね、くらいに思ってた。詳しい事情を知ったのは大分後になってからですが、物語としてはきれいに収まってるので私としてはこれで不満はありません。しかし「大人の事情側」はそれでは収まらなかったようで、2006年にリチャード・ドナーが再編集したドナー版が出るのです。

リチャード・ドナー版について

BDボックスを買うまではテレビからの録画で我慢していたので、リチャード・ドナー版はボックスに同梱されていたディスクで初めて見ました。元々はドナーが2作とも監督する予定だったらしいですが、諸事情でIIからは監督を降板、IIの監督になったレスターはジョー=エル役の俳優が使えなくて彼の登場シーンを削らざるを得なくなったらしいです(それでピンチヒッターにお母さん)。それを後年、ドナーが再編集して自分が本来作りたかったものを制作したとか。ドナー版の冒頭には「これは本来の着想で作った"スーパーマンII"です」という断り書きが載ってます。

では「本来の着想」とは──。
ゾッド将軍がファントム・ゾーンから解放される原因が、レスター版ではテロリストの水爆ですが、ドナー版では前作で宇宙に飛ばしたミサイルの爆発になっています。つまり、IIは前作の続きだったんですね。ジョー=エルも復活。前作の謎ワードだった「息子は父になり父は息子になる」がドナー版でどういうことだったのか明らかになります。前作ラストの地球逆回転時間戻しも本当はIIでやりたかったそうなので、これも取り入れられてます。

しかし。レスター撮影シーンがほとんど削られ、未公開になっていたドナー撮影シーンに差し替えられたため、同じ話なのに全く別物になってしまいました。パリエピはなくなるし、ラブロマンスもちょっと端折られた感じだし(レスター版はその辺キャラの心理を丁寧に描いててそうなる説得力があった)、構成もやや粗い感じだけど、その代わりクラークと父(ジョー=エル)とのやりとりがしっかり描かれてて、そこはレスター版にも欲しかったところでした。レスター版の構成がよく出来ているので、そこに本来の着想部分だけ入れるってわけにはいかなかったんでしょうかねえ。

ただ、細かい所の違いは見る人の好みで楽しめばいいことだけど、ラストの時間戻しは余計だった気がします。やりたかったんだろうけど、ロイスとの関係をなかったことにするためだけにゾッド将軍が来る前にまで戻してしまったら、IIでやったことって何だったんだになりませんか。店でチンピラとやり合ったのもなかったことになったはずなので、仕返しに行くのはおかしい。レスター版ではキスでロイスの記憶を消す、という方法なので仕返しに行っても矛盾は起きないし仕返しする意味があるんですが。それに時間戻ししちゃったらロイスとの一夜もなかったことになるので、リターンズに続かないではないか(汗。脳内でパラレル補正して楽しむしかないでしょーかね。

ドナー版を見た上で。
やっぱり私は劇場公開版(レスター版)の方が好きですね。スーパーマンの音楽に乗って前作の流れをどんどん見せてくれる冒頭の演出も好きだし(あれで気持ちがどんどんノっていけるし)、パリのテロエピソードも「世界よ、これがスーパーマンだ!さあこれから始まるスーパーマンの大冒険にワクワクしてくれよな!」的なノリでテンション上げてくれるから大好き。私の好みのベクトルがそういう方向なんですね、きっと。

スーパーマンII リチャード・ドナーCUT版

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