パプリカ

2006年
時間 90分
監督 今敏

他人と夢を共有するサイコセラピーマシンDCミニでサイコセラピスト治療を行うパプリカ。ある日DCミニが盗まれて悪用され、夢に介入されて異常行動に走る人々が続出。DCミニを取り戻すため、手がかりを求めて犯人とおぼしき人間の夢の中に入るパプリカ。だが、多くの人々の夢を取り込んで膨れ上がった"悪夢"はついに現実をも侵食し始めた──?

他人の夢の中に入ってミッションをこなすという物語が、「インセプション」より4年も早く日本のアニメで作られていた!ことにまずは驚く。夢ならではの「変さ・奇妙さ・怖さ」は正直、インセプションよりずっと上です。インセプションの夢は整然とし過ぎてるんですよね、街が折り畳まれる程度じゃ済まないでしょう、実際の夢の支離滅裂さは。その辺はよく表現してくれててアニメならではの本領発揮ですね。パレードは圧巻。

DCミニを悪用すると他人の夢をハッキング出来るらしい。DCミニを開発した精神医療総合研究所の敦子、時田、所長の3人がDCミニ盗難の件で理事長と話をしている時、所長の挙動がおかしくなる。所長の夢をモニターしたところ、研究所の職員の1人がいるのを発見。そいつが犯人か!?と彼の部屋を調べている最中に敦子までが"犯人の夢"に取り込まれ、危険な目に。街でも"犯人の夢"に影響されおかしくなる人が続出で、これはもう一刻を争う事態となっていくのですが…。

夢と現実が分からなくなる…というのは今敏の得意とするところですが、今作でも夢と現実が一緒くたになってアニメならではの面白い表現をたっぷり見せてくれます。映画の中の世界は大混乱しますが、エンターテイメント性も持たせてくれているおかげで話は分かりやすく、見てる方は混乱せずに楽しめます。敵が仕掛けてくる悪夢の罠をいかにくぐり抜けていくかも見どころ。都市を丸ごと巻き込む大アクション!も用意されているので、ハリウッドアクション好きな方もどうぞ~。

<ネタバレ>

主人公の千葉敦子、が実はパプリカ。現実の敦子と夢の中のパプリカは容姿が違うので、夢か現実かの区別はつく。DCミニという装置があるおかげで、分からないことは全部装置のせいに出来るのもありがたい。夢と現実がごっちゃの中でも登場人物たちの物語が描かれ、パプリカの患者だった刑事が混乱の中で自分を克服する姿はよかった。敦子自身も他人の夢の世話ばかりで長い間見てなかった自分の夢を取り戻す。

そして犯人ですが。最初は所員の1人かと思われたのですが、実は彼も被害者だった。黒幕は理事長。街を破壊するし、巨大化するし、怪獣映画か!なノリでしたが、理事長も現実では果たせないことを夢の中に求めていたんだろうなあ。

パプリカも現実では出来ないことを反映した敦子の理想像なのでしょうね。時田が好きなのに素直になれない敦子だったが、パプリカはどうすべきかを知っている。終盤で夢と現実が一緒になったおかげで敦子(建前)とパプリカ(本音)はお互いの意見を言い合うことができ、建前は自分の本音に気付く。理事長の悪夢を吸い取ったのがパプリカではなく敦子の姿だったのは、敦子が本音(パプリカ)も受け容れたからかなと思いました。敦子ちゃん、時田くんとお幸せに~。

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