エクス・マキナ

エクス・マキナ BD

2015年
時間 108分
監督 アレックス・ガーランド

検索エンジンIT企業ブルーブラックで働くケイレブは社内抽選に当選し、社長の別荘へ招待された。社長は別荘で密かにAI搭載ロボットの開発実験を行っており、ケイレブは女性型ロボット、エヴァのチューリング・テストを行うことになる。エヴァに自意識はあるのか、それとも…?

ロボットSF好きには嬉しい映画。AIがどこまで人間に迫れるのか、あるいは人間を越えるのか?はAI系SFには永遠の命題。社長の別荘は広大な大自然の中(全て社長の私有地)にポツンと一軒家で、携帯は圏外。研究を秘密にするため、別荘の電話も社長しか使えません。別荘にいるのは社長、ケイレブ、エヴァ、そして身の回りの世話をしているキョウコと呼ばれる女性の4人だけ。そんな閉じられた空間でAIテストが始まります。

エヴァは体は一部メカが見えてますが、とても美しい女性、に見えます。建築好きが喜びそうなスタイリッシュ豪邸の中で、静かにテストが進められて行く様子は淡々としているのに緊迫感がある。エヴァに質問をして反応を見るケイレブ。社長もその様子をモニターして見ている。しかし建物内ではしばしば停電が起きるのだった…。

ネタバレなしで感想を言いにくい作品ですが、もし先が読めたとしても、エヴァの美しさと造形美だけでも見る価値ありです。キョウコも負けずに美しいし、この作品でしか味わえない凄さがありますんで…。

<ネタバレ>

最初の停電の時、エヴァが突然「社長を信用しないで」と言うのですね。停電が直るとエヴァはロボットらしい受け答えに戻っている。停電中はカメラもモニターも止まるので、本音を言いたい時にエヴァが停電を起こしていたのだった…って、これ、どう考えてもエヴァは既に自意識を持っていて、ケイレブを騙すために演技してるぞ。エヴァが美しい女性なので、若いケイレブの気持ちはそっちへ。男って…(^^;。

ケイレブは社長が酔い潰れた隙に社長のカードを使ってエヴァ以前にもたくさんの試作機があり廃棄されてきたことを知る。エヴァを同じ運命にしたくないケイレブはエヴァを連れて逃げる計画を立てるが、実はそれこそが社長が試していた本当のテストだった。エヴァが若い男をたぶらかして逃げる算段をつけられたら合格。しかし…。社長の誤算はケイレブを見くびっていたことかな。おかげで大変なことに。

エヴァは旧モデルだったキョウコに手伝わせて社長を片付け、保管されていた試作機たちのボディから皮膚をもらって完全体になり、たぶらかしたケイレブは建物内に閉じ込めて置き去り、ちょうど一週間のテスト期間が終わって迎えに来たヘリコプターで脱出成功。箱の中のAIは外に出て人間になりました!?

人間がAIにしてやられる話ですが、人間側のミスもけっこうある。社長はケイレブに対して隙ありすぎだし、ケイレブも平常心が飛んでた。本当の課題はここにあるのかも。AIのソフトウエアに検索エンジンを使うというアイデアは面白かったです。そういえば検索エンジンで男の行動パターンと女の思考を学習していれば、AIでもこれぐらいのことは出来ちゃいそう。そう考えると怖いですねー。

*ところで今作、エヴァの美しさ故に男性には怖い映画だと思うけど、閉じ込められてた女が男をやっつけて颯爽と旅立つ物語、として見れば女性にはめっちゃ爽快です(笑。

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