ターミネーター
年 | 1984年(日本公開は1985年) |
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時間 | 108分 |
監督 | ジェームズ・キャメロン |
核戦争後の未来。人類は機械(防衛ネットワークコンピューター)に絶滅寸前まで追い込まれていた。だが人類に優れた指導者ジョン・コナーが現れ、機械にとって脅威となる。機械はジョンの誕生を阻むべく過去にターミネーターを送り、ジョンの母となるサラ・コナーの抹殺を図る。ジョンはサラを守るため部下のカイル・リースを護衛に送る。サラはターミネーターから逃げられるのか!?
実はターミネーターは映画館では見られてないんですよね。その後テレビで見て面白かったので録画して、長年録画テープで繰り返し楽しんで、その後BDを購入して現在に至ります。リアルでターミネーターを知らない世代の息子たちがターミネーターファンになったのは私の録画のおかげです(笑。アナログテレビ&録画テープの時代が長かったので、BDで初鑑賞した時は「おお~今まで潰れて見えなかった所はこんな画面だったのか~」と驚く。今更だけど大きなスクリーンで見られたらよかったなあ。
話の構成はシンプル。未来描写はカイルの回想で語られるのみで舞台は現代(1984年)。未来から来たターミネーターがサラたちを狙う、追う、追う。サラたちがターミネーターから逃げる、逃げる、逃げる。これだけなんですが、その「これだけ」を徹底して見せまくる凄い作品。シュワルツェネッガー(以下シュワちゃん)がはまり役で、もうターミネーターと言えばシュワちゃんですね。というくらい世界に浸透しまくりました。シュワちゃん姿で容赦なく襲われまくったらもう忘れられなくなるわ…。
未来から過去へ刺客がやってくるという発想も面白い。タイムトラベルものとしても上手く落ちて矛盾がない作りですが、ターミネーターとの恐怖の追っかけっこが主軸なので、タイムトラベル部分はあまり意識しないで見られるようになってる。だからこそタイムトラベル発想も素直に作品に生きるのです。
1984年作品ということで、若いシュワちゃんの筋肉美、肉体美も堪能できる本作。さあ、非情で容赦ない殺人マシーンに何処までも何処までも倒しても倒しても起き上がって追いかけられる恐怖を存分にギャーッと楽しむべし。
<ネタバレ>
基本は追いかけっこアクションだけど、実はいい塩梅でロマンス要素も入っているのがミソ。ターミネーターからサラを守るために未来から派遣されたカイル・リースは実はジョンの父なのですね。ジョンがカイルにサラの写真を渡したのもそれを知っていたからかな。カイルは自分の運命を知らない。だが渡された写真でサラに好意を持ち、それはカイルの中で愛に育っていく。サラとカイルの恋は一夜の運命だったが、ターミネーターの非情さが2人の間で育まれる愛を際立たせる。歳を経てから見直すとカイルの切なさにも参りますね。
そしてラストでサラが撮られた写真がカイルの持っていた写真になり、ジョンがカイルを寄越す未来へつながっていく構成はお見事。追いかけっこが主軸の作品なのでタイムスリップに細かく言及するのは野暮だと思いますが、この状況なら同じ時間軸の循環で成立しますし。
なお、今作のような感情のない殺人ロボットに執拗に終われ続ける映画は過去にもありまして、1973年の「ウエストワールド」がそれ。子どもの時見てトラウマになった作品で、ユル・ブリンナーがシュワちゃんに負けない怪演を披露してくれてます。「ウエストワールド」でロボットに追いかけられる系の洗礼を受けた身としては、今作は73年の"怖さ"を大幅にブラッシュアップしてくれた作品としても楽しませてもらえたのでした。