シグナル
年 | 2014年 |
---|---|
時間 | 97分 |
監督 | ウィリアム・ユーバンク |
ニックは友人のジョナと一緒に恋人ヘイリーの引っ越しを手伝っていた。道中、大学にハッキングしてきた"ノーマッド"がヘイリーのPCにも侵入し、彼らを追跡してくる。ニックとジョナは"ノーマッド"の正体を突き止めようと逆ハックし、IPが彼らの引っ越しルート上にあることを突き止める。ニックたちは車を止めてポイント地点の廃屋に忍び込むがそこで何かが起こった。気がついたら謎の施設に監禁され、逃げだそうとするのだが──?
TSUTAYAで「衝撃の結末!」みたいなアピールをされていたので借りて見てみた作品。SFとあったので期待したけど、低予算系だったみたい? 主人公たちの身に何かが起こったが、どういう状況なのか分からない。ニックは病気で足を悪くしていたが、謎の施設内では完全に車椅子状態になっていた。そしてヘイリーとジョナは何処に? 彼らの周りの人たちは皆防護服を着ていて物物しい雰囲気で、ニックは汚染されていると言われるのだが、何に?
とにかくここは何処なんだ、何が起こったんだ、何故監禁されている、汚染って何だ、とひたすら謎のオンパレード。謎があると人は知りたくなる。謎が解き明かされるのを期待して見続けることになる。車椅子の体で友だちを探し、施設からの脱出をはかり、家に帰ろうと奮戦するニックですが、そこに待っていたものは!? これは確かに衝撃の結末!?ですが、問題はその結末がストーリーにどういう意味を持っていたかということ。
<ネタバレ>
まず謎の施設でデイモンと名乗る研究員が「君たちは地球外生命体に接触した」みたいな説明をするので、その関連施設だというのは分かる。だからエリア51というジョナの推測にやっぱりと思う。しかし実はエリア51ではなく、エリア51を模した別の場所だった。そしてデイモンの逆読みはノーマッドだと気付くニック。防護服を取ったデイモン=ノーマッドは人間ではなかった。ニックたちは宇宙人が仕掛けたハッカーの罠におびき寄せられ廃屋で拉致され彼らの宇宙都市に連れてこられたのだった。地球じゃなかった!という衝撃で幕。
でもこれだと状況の説明にしかなっておらず、オチに意味がない。そこはもう一捻りして欲しかったところ。もしかして冒頭のUFOキャッチャーとかけているのかもしれないけど、だとしたら一連の出来事は「宇宙人が人間を釣り上げて好きなように実験して遊んでただけ」というオチになってしまうけど、それでいいの? 確かに、彼らは明らかにニックを逃がしてたし(わざとニックが逃げられるように振る舞ってた)、最初からニックの義足を覚醒させるのが目的だったようにも見えるし、偽エリア51の作り込み具合も、"遊び"だったと考えれば納得は出来るが…「遊ぶ側」が「遊ばれる側」になった話ということなら、これはこれで怖いですけどね;;。
偽エリア51にいた人々はニックと同じく拉致された人間なのか、あるいは偽エリア51をそれらしく見せるために配置されたアンドロイドかな。おばあさんの奇妙さはロボットっぽかったけど、宇宙人が遊びで人間を釣ってるのなら釣られた人間もいるはずで、両方混じってるのかも。
個人的には、デイモンは機械化されており、よくあるモンスターではなかったところはよかった。安っぽいエイリアンとか出てきたら積み上げてきたサスペンス感が台無しですものね。宇宙人が絡む割にはリアル感とシリアス感を保ち、宇宙人の姿を見せずに宇宙人の怖さを見せてくれたところは良い。ジョナの義手覚醒ドッカーン、ニックの義足ダーッシュ!は見どころでした。