クリミナル 2人の記憶を持つ男

2016年(日本公開は2017年)
時間 113分
監督 アリエル・ヴロメン

核ミサイルを遠隔操作可能なハッカー、ダッチマンの行方を知る唯一のCIAエージェントのビルが死亡。CIAはビルの記憶を死刑囚に移植してダッチマンの行方を知ろうとする。しかし記憶移植を受けた男はすぐにはビルの記憶を思い出せず逃亡。しかし徐々にビルの記憶が蘇り、2つの記憶の中で苦しみながらダッチマンを探すことになる。

ムービープラスで鑑賞。記憶系の話も好きなんですが、似たような他の話とごっちゃになりがちなので、頭の整理も兼ねてレビューを。この話で記憶を移植されるジェリコは脳に欠損があって、前頭葉の発達が止まり、善悪の判断がつかず感情も欠損しているという設定です。彼の前頭葉にビルの記憶を入れることで、欠けていた脳の力が補填され、だんだん人間らしくなるというお話。

これを見て思い出したのが「アルジャーノンに花束を」。知能の低い主人公が脳実験でだんだん賢くなっていく…というところが、ジェリコがだんだん人間らしい心を持ち愛を知るようになっていく──というところと重なりました。アルジャーノンは切ないお話だったけど、ジェリコはどうなるのか。

<ネタバレ>

ジェリコの中でビルが目覚め始めて、最初はビルの知識を意味も分からないまま逃走に使ったりするのですが、ビルの記憶を辿ってビルの家に入り、ビルの妻や娘と接したりしてるうちに態度や考え方に少しずつ変化が現れていく──という過程が面白かったです。ただ、ビルになっちゃうのか?と思ったら本人の意識としてはあくまでジェリコであって、ビルの記憶を持つジェリコ、ということらしい。

私はSF好きですから、他人の記憶が入るとどうなるのか?脳の欠損は記憶移植で埋まるのか?というシミュレーション的な方向に興味を向けて見ていましたが、スパイアクションものとしても面白く出来ていたのではと思います(いや、そっちが本来の見方かも)。48時間経ったら移植した記憶が消えると医師に言われ、それがタイムリミットとなって後半のアクションにもつれ込むことになります。

クライマックスはやったね!て感じで爽快でした。敵にダッチマンの遠隔操作プログラムを奪われるけど、攻撃者に攻撃が返るという罠は秀逸だった。敵のボスは飛行機と共に爆発~。その後のラスト(ビルの記憶は消えなかった)には賛否あるようですが、私はよかったと思う。切ないのはアルジャーノンだけでいい。ジェリコ、これからの人生を大切に。