E.T.

1982年
時間 115分
監督 スティーヴン・スピルバーグ

地球へ来ていた宇宙人が森の中で1人取り残される。彼が潜んだ物置は少年エリオットの家だった。初めて遭遇した時はお互いに驚く2人だったが、エリオットと宇宙人は次第に友情を育んでいく。宇宙人はE.T.と呼ばれることになり、エリオットの兄も妹もE.T.と仲良しになっていく。だがE.T.は家に帰りたい。エリオットたちはE.T.を故郷の惑星に返すために協力するが…。

公開時に映画館で鑑賞。地球人の少年と宇宙人E.T.との友情物語。宇宙人を侵略者や怖い怪物ではなく「友だち」として描いたのが特徴。E.T.は時に不思議な力も見せ、兄弟たちの秘密としてエリオットの家で過ごします。彼らが友情を育んでいくエピソードはこっけいなものあり、笑えるものありで、楽しくて微笑ましい。E.T.ごっこ、流行ったなあ。

しかしエリオットと友だちになっても、やっぱりE.T.は"家"に帰りたい。宇宙船と連絡を取ろうと手近なもので通信機を作るE.T.にエリオットたちも協力するのですが…。

ちょっと印象的だなと思ったのがママ以外の大人たちの描かれ方。冒頭から宇宙人を探している人たち(パンフレットによればNASA)の姿がしばしば出てきますが、胴体だけとかシルエットとかで顔を見せないのね。学校の先生ですらも。表情が分かるシーンを極力避けた描かれ方をしていて、それが「得体の知れない者・恐怖を運んでくるかもしれない者」感を醸し出している。これはエリオット目線であると同時にE.T.目線でもあると思います。異星で一人ぼっちになったE.T.から見たら地球人こそエイリアンですから…。

<ネタバレ>
ついにE.T.が大人たちに見つかってしまう。エリオットの家は物物しく包囲され、E.T.は科学者たちの手に落ちる。が、ここでE.T.と科学者の1人が目を合わせて見つめ合うシーンが入り、その直後から大人たちの顔がしっかり正面からスクリーンに映るようになります。その時からこれまでの「得体の知れなさ」が消えて、彼らも子どもの時から宇宙人と出会うことを夢見ていた人たちだったと分かる。顔が映るってこんなにもホッとすることだったんですね。互いをちゃんと見る(知る)ことで心理が切り替わる演出は上手いと思いました。だが彼らにも弱っていたE.T.は救えなかった…?

しかし宇宙船と連絡がついたE.T.は復活、エリオットたちは大人たちの目をかすめてE.T.を森に運ぶ。ここから幻想的な自転車のシーンへ。音楽もいい。E.T.はエリオットに一緒に行こうと言ってくれます。これはE.T.にとってもエリオットがとても大切な存在になった証し。でもエリオットはE.T.との別れを受け容れてE.T.を見送る。

エリオットの父はママと別居していた。エリオットにとっても父がいないのは寂しいことだった。だけど、E.T.との別れを通してエリオットも「別れてもいつも心の中にいるから」と両親の別れも受け容れられるようになった…と感じたのは、私の読み過ぎかと思ってたけど、Wikipediaを見たら外れでもなかったようです。

20世紀アニバーサリー特別篇(2002年)120分

我が家には子どものために買ったDVD-BOXがあります。それには2002年に編集された「20世紀アニバーサリー特別篇」も入っていて、デジタル技術による画質の向上とカットされたシーンの追加が行われています。私が気付いたところでは以下のシーンが追加・変更されてます。

  • E.T.とエリオットが風呂場でやりとりしてE.T.が風呂に入るシーンの追加。
  • 中盤の月に映る自転車のシーンでエリオットのマントがたなびく。
  • ハロウィンの仮装に出かけた子どもたちをママが車で迎えに行くが、エリオットがいなくて兄と妹だけが車に乗るシーンの追加。
  • 警官の銃がトランシーバーに変わっており、自転車が浮く直前に銃を持って立ちはだかる警官がカットされている。

未公開シーンを追加するのはともかく、銃関連の変更は話の流れをおかしくしてしまっているので(警官の銃から逃れるために自転車が宙に浮くのに、自転車が浮く理由をカットされると意味不明になりかねない)、そこはオリジナルの方が緊迫感あっていいと思うんですけどね。今なら劇場公開版もデジタル・リマスターされたBDになってるのでアニバーサリー版でなくても高画質で見られると思います。

なお、BOXに入っている解説冊子では、ハロウィン出発前にママが子どもたちに言う「テロリストみたいな格好」が「ヒッピーみたいな格好」に言い換えられたとありますが、劇場公開版のDVDでは字幕も吹き替えも既に「ヒッピー」になっていたので、そこは気付かなかったわ…。

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