ロスト・バケーション

2016年
時間 86分
監督 ジャウム・コレット=セラ

母の秘密のビーチへやってきた医学生ナンシー。彼女は母が助からなかったことで医学の道への迷いが生じていた。2人の男性が波乗りしていた海に入り、ナンシーもサーフィンを楽しむ。ところがサメに襲われ、男たちも次々犠牲になる中、ビーチへ戻れなくなったナンシーはどうやってサメから逃れるのか──。

ジャンルとしては「サメに襲われる映画」なのだと思います。ジョーズすら見たことないのに、「見られるならば見てみよう」と釣られてしまうのがスターチャンネル無料期間の罠(笑。

舞台はメキシコのとあるビーチ。いわゆる穴場らしく、サーファーも2人の男性だけ。ナンシーの母はナンシーがお腹にいた時にこのビーチに来たことがあるらしい。車でビーチへ送ってくれた地元男性に「景色を見ないのか」と言われるほどスマホで母の写真ばかり見ていた様子から、母の死にかなり傷心らしきことが伺われます。沖に見える島の形を「妊娠中の女性みたい(自分と母に例えている)」と言うところからも。ナンシーの心境・境遇・バックグラウンドを全てスマホの通信だけで説明しているところは今時らしい。

冒頭からしばらくはサーフィンのシーンが続き、海や波がすごく美しくて見とれる。日頃海やサーフィンに縁のない者にはこれだけでも環境ムービーになりそうなくらいです。ところが沖合いに浮いていたクジラの死骸に近寄ったら、その周りにサメがいた。サメに襲われ太ももザックリの大怪我をしてしまう。何とか逃げるも沖合いだったので近くの岩場に釘付けになり、サメが周りを回遊するためビーチに戻れず、男たちはナンシーに気付かず帰ってしまい、恐怖の「1人サバイバル」が幕を開けます。

サメ映画には詳しくないので、サメシーンがジョーズとかと比べてどうなのかは分かりませんが、サメ初心者には怖かったよ~。でもそれ以上に主人公のサバイバル魂に感動しました…。

<ネタバレ>
さすが医学生、パニックになりつつも、理系女子らしく状況を観察して分析できる冷静さも持つ。痛さに耐えながら手持ちの装身具で傷口を塞いだりして、凄いわ…。岩場で一晩過ごして、翌日また昨日のサーファーたちが来るのですが、助けてもらうどころか彼らもサメにやられる始末。しかしここから繰り広げられるナンシーの知恵と根性が凄い。男性サーファーのカメラ付きヘルメットを伝言に利用したり、満潮で水没する岩場から近くのブイまでの距離を測って1分でいけると計算したり、サメのこれまでの動きからクラゲで身を守れると判断して決行したり、クジラの油で燃やす攻撃したり、ブイも余すところなく利用しまくり、ついに…もう知恵と機転の勝利ですね。

でもその裏には母への思いと父からの励ましがあった…。「母さんは最後まで闘った」──父のこの言葉を、闘っても駄目だったからと後ろ向きに捉えていたナンシーは、極限の中で「母のように自分も最後まで闘う」と前向きに捉え直す。1人サバイバルを闘い抜いたナンシーの目に微笑む母の姿が映る。この時ナンシーは母の死を乗り越え、もう一度前を向くことが出来るようになったのだろう。岩場で相棒になったカモメを治せたことも併せて。

1年後に父と妹と3人で秘密のビーチを再び訪れるナンシー。妹にドクターと呼ばれたことから、医学の道をあきらめず医者になれたことが分かる。あんな目にあってもまた臆せず海に入るところもナンシーが恐怖の体験を乗り越えたことを意味してるのだろう。諦めない勇気と頑張りをもらえた作品でした。

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