イントゥ・ザ・ストーム

イントゥ・ザ・ストーム BD

2014年
時間 89分
監督 スティーヴン・クエイル

竜巻ハンターのドキュメンタリー撮影チームはコロラド州シルバートンで発生した巨大竜巻を追っていた。シルバートン高校では卒業式が行われていたが、高校教頭の息子ドニーは式をサボって同級生の女の子の課題を手伝っていた。町が竜巻に襲われ、教頭のゲイリーは息子を探して途中で合流した竜巻ハンターのチームと共に廃工場へ向かう。だが新たに大きな超巨大竜巻が発生し、ゲイリー親子にも撮影チームにも更なる危機が迫るのだった──。

タイトルの通り、竜巻の中へ入って竜巻を体験する映画です。メインは竜巻なので、ストーリーも登場人物も「視聴者に竜巻を見せるため」のものになってますが、その割にはなかなか上手く構成されてるなと思いました。竜巻撮影チーム「タイタス」で視聴者に竜巻を見せるという目的を果たしながら、ゲイリー親子を絡ませることで一般市民目線からの竜巻の恐怖も描きつつ人間ドラマも無理なく入れ込んでます。

竜巻描写は今作の目玉だけあって凄い。遠くから見るだけじゃなく、本当に竜巻の中へ入るので見たことないものを体感できる。竜巻の中ってどうなってるんだろ、竜巻に巻き上げられたらどうなるんだろ、そんな人間の飽くなき好奇心を満たしてくれます。YouTuberの2人は好奇心の具象化ですかね(危ないから真似しないでね!という注意書きが要りそうだけど^^;)。撮影チームやゲイリーの2人の息子たちが録った映像、YouTuberの携帯映像なども作中にかなり取り入れられ、登場人物が録った(という設定の)映像で話をつないでドキュメンタリー性やリアルさを出すのは「クローバーフィールド」や「クロニクル」でも使われていた手法ですね。今作は状況に応じて全体から見た視点での映像も入れてあるので、話の流れは分かりやすいです。

竜巻にハラハラドキドキするのが主題なので人間ドラマは想定内の進行ですが、撮影チームの装備はなかなか面白かったです。竜巻用に装甲した「タイタス」とか乗ってみたい気はする。命がけなのでチームに入りたいとまでは思いませんが…。

<ネタバレ>

廃工場でのドニーと女の子の救出がクライマックスかと思ったら、そこからもう一波乱ありました。新たに超巨大竜巻が発生し、高校から大勢逃げ出すところではディザスターパニックらしい見せ場となり、逃げ遅れたゲイリーたちが坑の中で竜巻の中心を迎えるのが本当のクライマックスに。「竜巻の目」は静かできれいだった。自然の脅威は怖いけど美しい。タイタスリーダーのパールは竜巻撮影に執念を燃やすあまりにチームの1人を死なせてしまったけど、最後には身を挺してゲイリーたちを守り念願の「竜巻の目」を見られて本懐は果たせたかもしれない。

ドニーたちがクラスメートにインタビューしてた映像が、竜巻が来る前と来た後の気持ちの変化を表すことにもなっていたのはいい演出。

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