ポセイドン
年 | 2006年 |
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時間 | 98分 |
監督 | ウォルフガング・ペーターゼン |
豪華客船ポセイドン号では新年を迎えるパーティが行われていた。だが新年を迎えた直後に大波を受けて船は転覆、ひっくり返ってしまう。パニックになる客たち。船長の指示でパーティ会場は封鎖され、客たちはそこで救助を待つことになるが、プロギャンブラーのディランがスクリューからの脱出を考え、娘を探す元市長のロバートとディランの案にのった数人の客が上階(船底)を目指す。果たして水没していく船からの脱出は成功するのか!?
「ポセイドン・アドベンチャー」のリメイク作です。これはまだ見たことがなかったのですが(リメイク作品があることも知らなかった;)ザ・シネマでやっていたのに気付いて、この機会に見てみました。元作品より人間ドラマが薄い?みたいな評価があったものの、2006年ということでCGに期待。72年作品はポセイドン号の全体図(俯瞰図)が明らかに模型で、波の立ち方のスケールも実物大ではなかったですが、さすがにCG、そこはちゃんと作り込んできてくれましたね。特に巨大なポセイドン号を俯瞰構図から見上げる構図までぐるーっと回り込んで映し出してくれたのはよかった。パーティ会場もスケールアップしてて、船の中もぐるぐると立体的に描写してくれて、豪華客船を堪能させてもらいました。
パニックシーンもスケールアップ。ガラスを破ってなだれ込む海水、破壊描写の奥行き感、船の立体構造を生かした3D的描写、その辺は期待通り。人物描写は確かに対立も葛藤もなくあっさりしてはいましたが、この手の作品はディザスター描写がよければ成立するのでそこは割り切って楽しめばいいかなと。話の大筋は旧作とほぼ変わりませんが、キャラは一新されていて脱出経路も違うので、旧作知っててもどこを通るのかどこで危機が起きるのか、誰が助かるのか助からないのかは最後まで読めません。
<ネタバレ>
船が転覆する理由は端折られてて、旧作のような地震による大波とか船主の主張で底が軽かったためひっくり返ったとかの説明はなしで、いきなり大波が来て転覆します。そこはもう転覆してからの話に絞ったのかな。船底探し冒険行も船に詳しい人がおらずけっこう行き当たりばったりで「この判断が命運を──」な緊張感はあまりなかったですが、ハラハラはしました。やっぱり子どもには生き残って欲しいし、若いカップルにも未来をあげたい。そこは順当な生き残りメンバーになったので、意外性はなくても後味が悪いよりはいい。
薄いと聞いた人間ドラマも、旧作のような濃さではなくても、最初は自分優先だったディランが母子のために動けるようになったり、娘の交際に難色を示していたロバートが娘の交際相手を認めて2人のために身を犠牲に出来るまでになったり、キャラたちの内面の変化と成長は描かれていたと思います。極限でどう動けるかなんてその時になってみないと分からないと思うから、これも1つのパニック疑似体験でいいんじゃないかな。
ラストはスクリューに辿り着いて終わりかと思ったらもう一波乱あったので驚きました。巨大な船が持ち上がり沈んでいく──CGならではの見せ場を最後に残してくれてましたね。最初の転覆シーンで救命ボートが1つ浮いてるな…と思ってたら、この時のためだったのかー。