ポセイドン・アドベンチャー

ポセイドン・アドベンチャー BD

1972年
時間 117分
監督 ロナルド・ニーム

豪華客船ポセインドン号は大晦日から新年に変わる夜に事故に遭い転覆する。パーティの最中だった客たちはひっくり返った船の底(転覆前は上部)に閉じ込められた。このままでは危ないと、牧師スコットは彼に賛同する客数人と共に上(船底の機関室)を目指す。だが上下逆さになった船の中の移動は困難を極める。壊れた通路、あちこちで起こる爆発、押し寄せる海水、彼らは機関室まで辿り着けるのか、船から脱出できるのか!?

初めて見たのは子どもの時。映画館だったか学校の上映会だったか、その辺の記憶が曖昧なのですが(感想文を書かされた気がするけど、この映画だったかな?)夢中になって見入ったのは覚えています。それなのに年月が経った今、覚えているのは「面白かった」ということと、自分にとっては衝撃だった「牧師のあのシーン」だけ。スターチャンネル無料期間で録画する機会を得たので改めて見直してみました。

今見ても面白かった! ディザスターパニックものの先駆ですね。こういう状況に陥った時、どう判断してどう動くか。その判断が命運を分ける──。上下逆さになったパーティ会場では早くも犠牲者が何人も出たが、生き延びた者も大勢いた。巨大豪華客船だからひっくり返っても瞬時に全てが壊れるわけではない。僅かだけどまだ時間は残されている…。そこで早速の試練。パーサーの指示に従って船底になってしまったパーティ会場に残って救助を待つか、牧師の提案に乗って助かる可能性を求めて上へ行くか──。

船の下にいたら浸水するだろうことは予測できるけど、船が今どうなっているかの状況が分からない中での判断は難しいと思います。上へ行っても助かるかどうかは分からない。結局「上に逃げよう」という牧師の主張についてきたのは(牧師も含めて)10人だけ。上へ向かってからはこの10人の描写が中心になるのですが、彼らも一枚岩ではなく、意見が分かれたり対立したり色々あるので、人間ドラマも見応えありました。

牧師と同行者たち
スコット:牧師。
ロゴ:警部補。スコットと対立する。
リンダ・ロゴ:ロゴ警部補の妻。
マニー:孫に会いにいくために船に乗っていた。
ベル:マニーの妻。太っている。
スーザン:ロビンの姉。子どもだけで旅行していた。牧師を信頼する。
ロビン:スーザンの弟。船の探検が好きで機関室のことも知っている。
マーティン:雑貨屋。独身。
ノニー:バンドのボーカル。兄とジャズフェスティバルへ行く途中だった。兄は転覆時に死亡。
エイカーズ:船のボーイ。船の構造を知っている。

細かい話の内容を忘れていたおかげで、牧師以外の運命がどうなるのかも忘れていて、誰が助かるのか!?全員助かるのか!?それとも!?とハラハラドキドキしながら見ることが出来ました。

<ネタバレ>

10人が上(船底)に通じる入口に逃れた後、爆発でパーティ会場に海水がなだれ込み、会場に残った人々の運命はそこで終了、あああやっぱり~。しかしその後も岐路に立つたび、牧師と警部補との対立が起きる。エイカーズが意外にも早期リタイア、しかしロビンが道を知っている!? 太っているから無理・通れない・自分はお荷物と思っていたベルが身を挺して牧師を助けたのには泣きましたー。あそこで元水泳選手のベルが飛び込まなかったら道は開けなかった。ベルおばあちゃん、かっこよかったよ! だからマニーおじいちゃん、孫に会ってベルおばあちゃんの分まで長生きしてね!

そして子どもの時は納得いかなかった牧師の死。何であそこで手を離すんだよ、あそこまで来てどうして手を離すんだよ~と思っていましたが、今見ると型破りなようでいても彼も牧師だったのだなと思いました。自分が先導したせいで3人を犠牲にした──その気持ちも入っていたのだろうな、と。リンダを失った警部補に後任を託したことも。

結局助かったのは6人。子どもは助かってほしいと思っていたのでよかった。途中で船首に向かう人たち(パーティ会場以外で生き延びた人たちと思われる)とすれ違いましたが、その人たちも駄目だったようです。でも助からなかった人たちだって、それぞれの判断で生き延びようとしていたんだから、主人公格の牧師がラスト直前でリタイアしたこととも併せて、助かった人も助からなかった人も全部含めて、

全員が主人公だったよ

と言ってあげたいです。

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