クワイエット・プレイス

2018年
時間 90分
監督 ジョン・クラシンスキー

謎のエイリアンが地球に到来。彼らは盲目だが音に敏感で、少しでも音を立てたら襲ってくる──世界が彼らに壊滅させられようとしていた時、アボット一家は音を立てずに生き残る努力を続けていた。末っ子のビューがエイリアンに殺されてから1年、母イヴリンのお腹には新しい命が宿っていたが、子どもたちと父リーがいない時に産気付いてしまう。迫るエイリアン、かけつけるリーたち、音を立てずに彼らはこの難局を乗り切れるのか──?

音を立ててはいけない、しゃべってもいけない、こんな状況でどう話を進められるのよ、と思っていましたが、そうか、手話がありましたか! BDで鑑賞したので映像特典を見て知ったのですが、長女リーガンは耳が聞こえないという設定で、役者の少女も本当に耳が聞こえないのだそうです。それで一家に手話での会話が無理なく成立していたということですね。

クローバーフィールドや宇宙戦争のように、巻き込まれた一般市民、アボット一家の視点からのみで描かれているので、エイリアンの詳細は視聴者にもよく分かりません。リーが集めた新聞やニュースから断片的に情報が拾えるだけです。それによるとニューヨークが封鎖されたり上海で死者が数十万とか、SOSを流してもどこも反応しない等、地球規模でかなり悲惨な状況のようです。

エイリアンは頭全体が耳になってるような感じですが、目がないので光は問題ないようす。音さえ立てなければOKとは言っても、赤ちゃんはそうはいかないでしょう! 声立てずにお産も無理過ぎだし、産まれたら当然赤ちゃんは泣くから、そこをどう切り抜けるか!というだけでもハラハラ。しかも子どもたちにも「何で今そうなるのよ」な危機が途切れなく訪れるので、けっこう真剣に見入ってしまいます。

突っ込みどころはあります。「音」ってどこまでが駄目なの? 動物は人間同様にやられてたので、人間だけでなく動物全般にも危機なようですが、風の音とか川の音とか自然の出す音はいいの? 足音ってどのレベルまでいいの? 息はOK? 声による会話がほとんどない代わりに自然の出す音がけっこう入ってきてて、地球って意外に「音」に満ちてたんだ、みたいな再発見をさせてくれたところはありましたが。というか、そもそも音が苦手なエイリアンなら、人間襲う以前に「音」で満ちてる惑星は居心地悪いだろうと思っちゃうけど、そこは流すところですかね?

<ネタバレ>

基本はエイリアンに襲われるホラーで、その恐怖を楽しむ作品だと思いますが、家族の心の触れあいと成長も入ってます。3人姉弟の末っ子はまだ4才で遊びたい盛りだった。音の出る玩具を父に禁じられるけど、姉リーガンはそっとその玩具を弟に持たせてしまう。その結果、弟が死ぬ。リーガンの中にはその悔いが残り続け、そのために父に嫌われてるのではと思う。リーガンのすぐ下の弟マーカスは怖がり屋で自分から前に出ることがなかなか出来なかったけど、母の危機に勇気を出して大きな成長を見せてくれる。極限の中でのリーガンと父の和解は言葉に頼らない演技ならではの良さがありました。

ただ、ラストがいきなりブツ切りみたいになって「え、これで終わり?」になっちゃったのは惜しかった。恐怖の過程を楽しむホラーだとしても、結末はちゃんとつけてほしい。「俺たちの戦いはこれからだ!」にしても、分かりやすい区切りくらいはつけてくれないと。

一応、父親のメモからこの地域のエイリアンは3匹だということ、彼らは鎧状の外皮を持つので普通に攻撃したのでは倒せないこと、しかしリーガンの補聴器から彼らはある特定の周波数に弱いことが分かり、その周波数を浴びると苦しみで頭部が開くのでそこを狙って撃てば倒せたこと、だから家の中で1匹倒したから銃の発砲音に引き寄せられてやってきた残りの2匹を同じ方法で倒せば取りあえずは助かる、ということだと思いますがそれがとっさに分かり難い。特に「3匹倒せばクリアー」という情報はすっかり忘れていたので、「えっ銃なんか使ったら発砲音で次から次へと切れ目なく彼らがやってきて終わりなんて永遠に来ないじゃん、絶望しかないじゃん」と思ってからしばらくして「あ…待てよ、最初の方で何か情報なかったっけ…」と巻き戻して確認してやっと気付いたくらいでしたから。

「音」に焦点を当てる発想は新鮮だったので、ラストの分かりにくさがちょっと残念でした。「終わりよければ全て良し」じゃないけど、ラストの締め方で作品への評価は変わってくるので、そこはもう一工夫ほしかったです。

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