パイレーツ・オブ・カリビアン / 最後の海賊

2017年
時間 129分
監督 ヨアヒム・ローニング

ウィルの息子ヘンリーは父の呪いを解くため「ポセイドンの槍」を探していた。そこに魔女の疑いをかけられて逃げていた天文学者の若い女性カリーナとジャック・スパロウが絡み、昔の恨みを晴らすため亡霊と化してジャックを追うサラザール、彼に巻き込まれて共にジャックを追うことになったバルボッサも加わり、よみがえったブラックパール号と共に「ポセイドンの槍」を求めて物語は大海原に漕ぎ出す──。

まず、何はともあれ、「生命の泉」の帆船不足が解消されたことを喜びたい。よみがえるブラックパール号! そうこなくっちゃ! やっぱり海賊ものなら大海原を舞台にしてほしいですよね。寄り道なら陸に上がってもいいけど、メインのバトルは海&船でやってくれなくては。海の壮大さも復活して、魔の三角水域、船どうしの競り合い激突、「ポセイドンの槍」の海中劇まで存分に見せてくれます。

今作はヘンリーとカリーナが物語のメインとなるので、ジャックもかき回し役で本領発揮。ヘンリーは海賊ではないですが、彼の探し物が海の中にあるので、海賊が絡む要素も理由も十分で、海賊の海を堪能させてくれる作りになっているのが嬉しい。カリーナの科学者思考に対して海には神秘がある──という流れ、個人的に好きです。海の世界くらいは神秘が残っていてくれていい。それがロマンというものですから。

海には"亡霊"もよく似合う。今回のサラザールは異様な姿とジャックとの因縁が存在感を感じさせ「敵」としても十分。サラザールの回想で語られる若い頃のジャックがなかなかかっこいいですね。この時、サラザールにやられた船長から船を引き継ぎクルーの信頼も得て名実ともにキャプテン・ジャック・スパロウ誕生!になったのに、あれからどうしてこうなった…。でも、そこがジャック?(^^;

このシリーズらしいコメディテンポの良さはこの作品でも健在で、金庫強盗の建物まで引っ張るドタバタぶり、処刑台周りの大騒動(ギロチンギャグとか)、ジャックの船のアレ具合とか、今作でも飽きずに楽しませてくれました。

<ネタバレ>

ウィルの息子ヘンリーが青年になって登場ということで、ウィルとエリザベスもちょっとだけ登場! ウィルファンには嬉しいですが、1つだけ文句がある…冒頭の少年ヘンリーと会っていたウィル。ウィルにはフジツボなんか付かないんだってば! ウィル様にフジツボ付けちゃいけなんだってばー! 私情は置いとくとしても、「ワールド・エンド」のエンドロール後で出てきたウィルにはフジツボなんか付いてなかった。少年ヘンリーはあれから数年後と思われるので、10年間フジツボが付かなかったウィルがその後の2~3年で急にフジツボ付くのはおかしいだろ。そこはダッチマン号共々、ウィルの清涼感を保ってほしかったです。でもウィルが呪いから解き放たれてエリザベスの元に帰れたのは素直に喜びたい。よかったね、今度こそ幸せになるんだぞー。続編が出ないのなら、エンドロール後のアレはウィルの夢で終わりにさせて下さい。

そして今作最大の衝撃。バルボッサに娘がいた! カリーナの父がバルボッサだった! カリーナが大切にしていた「ガリレオの日記」はかつてバルボッサが奪い娘を孤児院に預ける時に添えたものだった。カリーナは日記を読み解くことがまだ見ぬ父につながると思い、そこから「ポセイドンの槍」を見つける方法を解き明かしていた。カリーナが娘だと気付いたバルボッサは、サラザールから娘を助けるため自らを犠牲にします。おおお~バルボッサ、漢だバルボッサ、もうバルボッサ物語でもいいよ、というくらいかっこよかった~~。

海が割れる描写は「十戒」のリメイク「エクソダス」で期待したのに見せてもらえなかった不満を晴らしてくれるものでしたね。今のCGなら出来る、こういうシーンを見たかったんだよー。ブラックパール号がギリギリで淵に持ち堪えて碇でジャックたちを引き上げる時の縦バトルもなかなかでした。

ヘンリーは海賊ではなく剣士でもないのでバトル方面での見せ場はあまりなかったけど、でも君が物語を始めてくれなければウィルの呪いは解けなかったのだから、そこはありがとうと言いたい。「ポセイドンの槍」が示す意味に気付いて、全ての呪いから人々を解き放ったのも君だしね。カリーナと幸せになってほしいキャラです。

やっとブラックパールの船長に戻ったジャックはキャプテンとして海の彼方を目指して出発。大団円でした。^^