パイレーツ・オブ・カリビアン / ワールド・エンド

2007年
時間 169分
監督 ゴア・ヴァービンスキー

*「デッドマンズ・チェスト」の続きという性質上、「デッドマンズ・チェスト」未見の人には最初からネタバレになっているのでご注意下さい。

東インド貿易会社のベケットはデイヴィ・ジョーンズとフライング・ダッチマン号を掌握し、通商の邪魔になる海賊を葬り去ろうとしていた。少しでも疑いがあれば老若男女見境なく処刑していくベケットの暴虐を止めるには海賊たちが一致団結しなければいけない。クラーケンに飲まれたジャックは生還できるのか、海賊たちは団結できるのか、ここにベケットと海賊たちの最終決戦が幕を切って落とされる──。

まずはジャック救出ミッションからスタート。ジャックは死んだのではなく、"デイヴィ・ジョーンズの海の墓場"という異世界に送られていたのですが、この世界が何とも奇妙でシュール。個人的にはこういうのけっこう好きなので、なかなか楽しめたです。

無事ブラックパール号とジャック生還するも(*作品の柱であるジャックが生還しないと話が始まらないので、この辺はこの程度の書き方ならネタバレに相当しないと判断して書いております)、そこは海賊たち、海賊長評議会を開くまですったもんだ、会議でも意見まとまらずすったもんだ、まあ海賊ですから(笑。策士家なのか行き当たりばったりなのか分からないジャックも話をかき回す。やっぱりエリザベス主人公じゃんな展開でどうにか団結。

<ネタバレ>
そしてラスボス(ベケット)艦隊との最終決戦が始まるわけですが、ずっと気になっていたウィルとエリザベスのわだかまりが解消し、戦いながら結婚する!という展開は熱くて燃えましたです。船長には結婚を執り行う権限があるそうで、バルボッサ船長の名の下で誓いとキスを行えば正式な夫婦となるようです。良かったなあ、嬉しいよ、戦闘中だけど(笑。

だから正直ウィルには普通に幸せになってもらいたかった。ウィルを生かすためとはいえ、フライング・ダッチマン号の船長にしてしまうのは切なすぎる。それでも復活したウィルが波間からざあっとフライング・ダッチマン号で躍り出てきた時はかっこよかった。船長が変わるだけで、あのおどろおどろしいフライング・ダッチマン号が一気に清浄な空気に包まれて、正義の味方ッて感じで参戦してくるのは清々しくて気持ちいい。

せめてもの慰みは2人の間に揺るぎない愛があること。エリザベスはジャックに心揺れてるような描写はあったが、それはエリザベスの本質の中に海賊への憧れ(言い換えればそれは自由と冒険を追い求める心=エリザベスにとってはその象徴がジャック)があるからであって、男性への愛ではない。男として好きなのはあくまでもウィル。ウィルもまたエリザベスが何をしようと結局エリザベスが好きなのである。それは変わらない。だから「もう死ぬかもしれない」という状況下で2人は素直になれたわけだ。それが戦闘中の結婚という形になる。

ウィルの心臓を大切に守り、10年に1回の逢瀬を待つエリザベス。2人の間に産まれた息子と共に。エンドロール後にこういうシーンを用意してくれたのは嬉しい。

ウィルファンとしては不満足な部分もあったけど、帆船が主役の映画って少ないから、このシリーズは帆船好きにとっては資料的価値もあって貴重です。音楽もいい。「彼こそが海賊」はBGMとしても愛聴。何だかんだ言っても好きな3作なのです。