ブラックパンサー

2018年
時間 134分
監督 ライアン・クーグラー

ワカンダ王国の王子ティ・チャラは儀式を経て正式にワカンダ国王となる。そこへ叔父の息子を名乗る者が現れる。叔父は行方不明と聞かされていたが、そこには隠された秘密があった。叔父の息子キルモンガーはワカンダの資源ヴィブラニウムを盗んだ犯人を手土産に、正当な王位継承者としてティ・チャラに挑戦を申し込む。だがキルモンガーはヴィブラニウムの武器で世界に戦いを挑もうとしていた──。

ブラックパンサー単体作品。まずシビル・ウォーに登場してから単体作品へという流れです。ブラックパンサーとしてはシビル・ウォーでお披露目済みですから、本作内ではティ・チャラの王としての、人間としての生き方を問うのがメインになっています。今の社会や世相が抱える問題とも向き合う作りになっているので、ヒーローものというよりは、もはやティ・チャラ物語ですねぇ。

まずは何と言ってもついに全貌を現したワカンダが見どころですね。アフリカの途上国と見せかけて実は超ハイテクノロジーの最先進国! すごい! 地球とは思われん~。これまでアベンジャーズシリーズで度々登場した"ヴィブラニウム"がワカンダのテクノロジーの元。しかしワカンダは自分たちの資力や科学技術を今まで世界に隠していた。これが問題の発端となります。それがティ・チャラの考え方・自身のあり方にも関係してきます。

どちらかと言うと社会派シリアス系ですが、アクションやバトルでワクワクさせてくれることも忘れてはいません。ブラックパンサーvsブラックパンサーは一番の見どころだと思いますが、女性陣もいい。ナキアもオコエもかっこいい! 槍は槍でもハイテク槍~。ティ・チャラの妹のシュリもサポートすごい。私の好きな「強くてかっこいいお姉さん」系が揃ってて嬉しい。ヒーローもので主人公も敵も味方もみな黒人というところも新鮮(巻き込まれたロスと盗人のクロウは白人ですが)。

人物関係の整理
ティ・チャラ:ワカンダの新しい国王。ブラックパンサー。
シュリ:ティ・チャラの妹。研究所で技術開発をしている。
ラモンダ:ティ・チャラの母。
ナキア:ワカンダのスパイとして国外で活動していた。
オコエ:親衛隊隊長。
ズリ:ティ・チャカの側近。若い頃はスパイをしており、ティ・チャラの叔父の秘密を知っていた。
エムバク:ジャバリ族のリーダー。
ワカビ:ボーダー族のリーダー。オコエの恋人。親を殺したクロウを恨んでいた。
ウンジョブ:ティ・チャラの叔父。
エリック・スティーヴンス(キルモンガー):本名ウンジャカダ。ウンジョブの息子。アフリカ系アメリカ人として育った。
ティ・チャカ:ティ・チャラの父で先代国王。シビル・ウォーで死亡したが回想や儀式のシーンで登場。
エヴェレット・ロス:CIA捜査官。囮捜査でクロウを追っていて負傷。ワカンダで治療を受ける。
ユリシーズ・クロウ:ヴィブラニウムを盗んで売っていた悪党。ウルトロンにもヴィブラニウムを流す(片手を失ったのはこの時)。

<ネタバレ>

ティ・チャラは歴代のワカンダの姿勢にはシビル・ウォーの時から疑問を感じてたようです。このまま隠し続けるのがいいのかと。ナキアも今作でそこに触れる。難民を支援できるのにしないのはどうなのか、と。ティ・チャラがその疑問に正面から向き合うきっかけになったのがキルモンガーですね。キルモンガーの考え方は歪んでいたが、それは彼に降りかかった悲運もあるけど、ワカンダの外で育ったため支援を必要とする人々を見過ごすことが出来なかったことにも起因する。

叔父ウンジョブは外の世界の人たちを支援するためにヴィブラニウムを国外に流したことで父ティ・チャカと衝突した。国の秘密を守るために叔父は葬られ、叔父の息子は置き去りにされた。それがキルモンガーという復讐の怪物を生み出した。「国の秘密を守る=見て見ぬふりをする」ことが間違いの根源だと気付いたティ・チャラは、これまでの疑問に答を見つける。キルモンガーの目指していたことも、ティ・チャラが辿り着いた答も「支援を必要とする人々を見過ごさない」という点では同じだけど、やり方は違う。暴力からは何も生まれない。これからのワカンダは知識と資源の共有と国際支援へ。賢者は橋をかけ愚者は壁を作る。エンドロール途中のティ・チャラの演説は、なかなか痛烈です。

アベンジャーズとの関連

ワカンダがインフィニティ・ウォーの舞台の1つになるので、それに備えてのワカンダお披露目作でもあります。シュリがロス捜査官を診る時、「また白人を治療できる」と言っているので、ロスの前にも治療を受けた白人がいたことが分かります(バッキーですよね)。
なお、ユリシーズ・クロウはウルトロンにヴィブラニウムを流したやつで、片手を失ったのは「エイジ・オブ・ウルトロン」の時です。

エンドロール途中のティ・チャラの演説は必見。

エンドロール後で、バッキーが登場。シビル・ウォー後にワカンダで冷凍睡眠に入っていたが、シュリとの会話で「恩にきるよ」と言っているので、洗脳を解く治療を受けたと思われる。スティーブは今作に登場していないので、バッキーを預けてすぐワカンダを去ったと思われる。