キャプテン・アメリカ / ウィンター・ソルジャー

キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー+MovieNEXワールド]

2014年
時間 136分
監督 アンソニー・ルッソ

アベンジャーズ戦から2年後、スティーブはニックからインサイト計画を打ち明けられる。それは平和のためという名目で人間の監視を行うシステムだった。シールドがそんなことを行おうとすることに戦う意味が分からなくなるスティーブ。突然ニックが襲われ、スティーブやナターシャもシールドから追われることに。シールドに一体何が起こったのか!? そしてスティーブの前に現れた謎の暗殺者ウィンター・ソルジャーとは…?

キャプテン・アメリカ2作目ですが、話はアベンジャーズの時系列の中に入ってます。キャプテン・アメリカは強化人間という設定ですが生身なのは変わらないので、アイアンマンのような派手なメカパワーは出せない。その分物語に大きな謎を仕掛けて、ただアクションするだけでなく、敵の正体を解き明かしていくサスペンス仕立てになってます。これが今作で共闘するナターシャにもよく合っていて、エージェントものとしてもいい出来。

スティーブはアベンジャーズ後はシールドで働いてました。スティーブがカーターと再会するシーンは泣ける…。それでも会えてよかったね、70年かかったけど。スティーブが第2の人生をシールドに決めたのは、カーターが創設者の1人だったから。だけど最近のシールドの考えがスティーブには分からなくなった。正義感が強くて高潔なスティーブは正しいことにために戦いたい。インサイト計画は違うのでは…。

アクション部分のメイン敵となるのはウィンター・ソルジャーですが、物語全体に渡るサスペンス要素も見どころ。今作を見るなら、ザ・ファースト・アベンジャーも見ておいた方がいいです。ええっあの人が!この人が!こう来るか!とめっちゃ楽しめますので。キャプテン・アメリカの相棒としてファルコンも登場します。

<ネタバレ>

サスペンスなのでネタバレ有りでないと感想が書きにくい作品(^^;。今作の一番のポイントは平和のための組織が悪の組織に乗っ取られるということですね。シールドが長い年月をかけていつの間にかヒドラに成り代わっていた。ニックの指示で船からデータを入手したナターシャはファイルが作られた場所を突き止め、スティーブたちがそこへ行くとモニターに映ったのはゾラ博士…。お前かァー、ゾラ博士だったのかー!

1作目で捕まったヒドラのゾラ博士はその科学力で生かされ、70年かけてシールドの内側からヒドラの思想を広げていったのです。博士本人はもう死んでるけど、自分の記憶と情報をコンピュータに残しており、インサイト計画のプログラムを作ったのもゾラでした。そして今や幹部も仕事仲間も皆ヒドラ…。シールドがヒドラだったという衝撃。ニックが襲われたのは疑いを持って調べようとしたから。スティーブたちもニックと接触したことで追われることに(ニックから何かを告げられたと思われた)。

インサイト計画がヒドラに不利益な人間を判別して排除するものだと分かり、スティーブたちは計画阻止に立ち上がります。アクションバトルもいいけど、スパイものっぽい立ち回りもあって、アベンジャーズ版007みたいな楽しみも。誰が味方で誰が敵か分からないサスペンス感、ご近所さんのナースの正体にもおおっ!と来た。てことで、今作の新キャラは裏表が激しい人が多いのでネタバレコーナーで。

人物関係の整理
スティーブ・ロジャース:シールドの兵士。キャプテン・アメリカ。
バーンズ(バッキー):元スティーブの親友で、死んだと思われていたがヒドラに回収され洗脳・改造で記憶も失い暗殺者に。任務時以外は凍らされていたためそんなに歳とってないらしい。ウィンター・ソルジャー。
ナターシャ・ロマノフ:シールドのエージェント。ブラック・ウィドウ。
ニック・フューリー:シールド長官。
マリア・ヒル:シールド副司令官。
サム・ウィルソン:空軍元兵で退役軍人省に勤務。ファルコン。
アレクサンダー・ピアース:シールド理事だが、実はヒドラで黒幕。
ブラック・ラムロウ:シールドの対テロチームのリーダー。よき仲間だったが、実はヒドラでスティーブを襲撃する。
シャロン:スティーブの向かいの部屋に住むナースだが、実はニックの部下で密かにスティーブを護衛していた。コード名はエージェント13。
ペギー・カーター:スティーブの元恋人。老人ホームで過ごしている。
ゾラ博士:故人だがモニターで登場。

スティーブとバッキーのことだけに留まらず、組織の陥る罠を描き、アクションだけでなく、痛烈な皮肉と問題提起をも行った今作。傑作だと思います。

アベンジャーズとの関連

スティーブの職場がシールドなので、関係も何も実質本筋みたいなものですね。ヒドラ=シールドだったためヒドラと共にシールドも潰れ、ニックは(死んだことにしたまま)ヒドラ残党の始末に、マリアはスタークの会社に、シャロンはCIAに、スティーブとサムはバッキーのことを調べに、ナターシャも何処へともなく去る。

インフィニティ・ストーン

本編には出てこない。ロキの杖がエンドロール途中に出てくるのみ。シールドが保管していたが、シールドがヒドラ化したため、ヒドラの秘密基地に移されていた。

エンドロールの途中でヒドラの秘密基地が映り、「ストラッカー閣下」と呼ばれた男が「ヒドラは今や強大な力を得た」と言い、ロキの杖を見つめる。キャプテン・アメリカに他の基地の情報を与えてこの基地を知られないようにしろと指示し、その目線の先には「被験者」と呼ばれた超能力を使う双子が。

エンドロール後、スミソニアン博物館のキャプテン・アメリカコーナーでバッキーのパネルを見る男がいた。ヘリキャリアから落ちたスティーブを助けて人知れず去ったバッキー。スティーブの声が届いたのか、あるいは記憶が戻ったのか…?