シェイプ・オブ・ウォーター

2017年(日本公開は2018年)
時間 123分
監督 ギレルモ・デル・トロ

口がきけない女性イライザは航空宇宙研究センターで清掃員として働いていた。ある日そこへアマゾンから半魚人が運び込まれる。半魚人と密かに接したイライザは彼にひかれ、食べ物や手話を通じて次第に交流を深めて行く。しかし彼が解剖されると聞き、イライザは職場の仲間や隣人らと協力をうけて半魚人を海に逃がそうとする──。

アカデミー賞を取ったと聞き、映画館で見たかったのに都合が折り合わず、この夏にレンタルでやっと鑑賞できた作品。まず映像に独特の魅力がありますね。冒頭の主人公の部屋が水の中にあるような描写には思わず引き込まれました。舞台設定が冷戦時代のせいか、全体にレトロな雰囲気で半魚人の入っていた水槽のタイルも味わい深かった。研究所の室内も独特の美意識で、ちょっと不思議な雰囲気で魅惑的。

お話は一言で言うと人魚姫の逆バージョン。半魚人と人間の女性との恋のおとぎ話。ただ、大人な描写もあるので、「大人のおとぎ話」というべきか。人魚ではなく半魚人にしたことで、よくある話が2つとない独自の話に見えて印象に強く残ります。おかげで半魚人を怪物と見なす研究側と、人間と同じと見る主人公側の対比も新鮮に感じられる。TSUTAYAではSFでもファンタジーでもなくラブストーリーの棚に並べられていましたが、まさに大人のラブストーリーです。

素敵なお話だと思ったけど、どの辺がアカデミー賞なのかは私にはよく分からなかった…障害者、LGBT、黒人、半魚人(他国民、移民とか?)が主役なところが今の社会情勢にあっていたのだろうか。それとも異種間の恋愛が差別や偏見を超えたと評価されたのか? でもそんなことを難しく考えなくても、ただ単純に楽しむだけでもいいんじゃないかと思います。

余談ですが、これを見てたら「スプラッシュ」を思い出しました。これも大好きな作品で、こちらはストレートに人魚と人間の男性の恋のお話。作品のテイストは違いますが、結末までほぼ同じ。なのでスプラッシュを知ってる人なら「そうかラストはああなるのね」と分かっちゃいますね。恋を貫くのに余計な説明は要らないと思う。だからシェイプ・オブ・ウォーターもスプラッシュもSFではなくラブストーリーなのです。