メアリと魔女の花

メアリと魔女の花 BD

2017年
時間 102分
監督 米林宏昌

大叔母の家に引っ越してきたメアリは猫を追って森に入り、7年に1回しか咲かない魔法の花「夜間飛行」を見つける。それは1日だけ人間に魔法の力を与える花だった。その花の力で箒に乗ったメアリは魔法大学に迷い込み新入生と間違われる。だがメアリが夜間飛行を持っていることに気付いた校長はメアリの知り合いの男の子ピーターをさらい、夜間飛行との交換を要求するのだった。

米林宏昌監督のアニメ。主人公のメアリは普通の女の子ですが、夜間飛行の力で1日だけ魔女の力を得ます。この花にはどうやらすごい力があって、魔法大学の校長と魔法科学者のドクターが行っている実験に夜間飛行が必要らしい。強大なパワーは人を狂わすと言いますが、この校長とドクターも花のパワーにとりつかれ、本来の自分を忘れるほどに危険な魔法の実験に没頭するようになったのですね。

突っ込みどころはありますが、けっこう楽しめました。1日だけの魔法の力を持っちゃった女の子の冒険ファンタジー。魔法大学面白いし、箒で飛ぶのはやっぱり楽しい。好奇心はあるけど失敗だらけだったメアリがピーターを助けるために頑張ります。ラストで、魔法に頼るな(強すぎる力に惑わされるな=校長みたいになっちゃうよ)と伝えているのもいい。

特に新鮮味があったわけでもなく、見たことない映像・動きに挑戦してるわけでもないし、普通に子ども向けの冒険ファンタジーって感じだったけど、そういう作品だってあっていいし、あるべきだと思う。子ども向けでいいじゃないですか。子どもに分かる良質な作品って大事だと思います。アニメが大人とマニアにしか分からない芸術品になってしまったら、それも困ると思いませんか。

余談ですが、自分の子どもが幼児になってアニメを見るようになった頃、困ったことがありました。アニメの対象年齢が上がってしまって、小さな子どもに見せられるいい作品がなかったのです。若い頃に「アニメは子どもだけのものじゃない!」といきがっていたツケがこんな形で返ってきたことに愕然としました。以来、アニメや漫画を子どもに取り戻すことの大事さも考えるようになりました。大人から見たら単純な勧善懲悪かもしれないけど、子どもにはワクワク楽しめる。そういう作品も作り続けられていってほしい。監督にはこれからも頑張って下さいと言いたいです。

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