サカサマのパテマ

サカサマのパテマ 限定版 BD

2013年
時間 99分
監督 吉浦康裕

かつて重力からエネルギーを得る実験の失敗で重力が逆になり、多くの人や物が空に落ちた。わずかに生き残った人々は地上と地下に別れて暮らしていた。地下に住むパテマはある日危険地域の大きな穴から地上へ落ちてエイジと出会う。逆さまの少女に戸惑うエイジだが、そのままパテマを匿うことになり2人は絆を深めていく。だが、監視カメラにパテマが見つかってしまい、2人は──?

アニマックスで録画。SF好きにはたまらない一品です。こういう作品に出会えると嬉しくなります。重力が逆になるという発想がすごい。実はほぼ同じ時期に公開された「アップサイドダウン 重力の恋人」とアイデアが被っちゃってるのですが、話の内容は全く別だしSF度はこちらの方が高いと思います。

パテマとエイジは重力の方向が逆。だから2人が向き合うとどちらかが逆さまになる。2人がつながると引き合う重力の関係で合計体重が軽くなり、月の上みたいに軽々と大ジャンプ出来たりしちゃう。この辺は見ものです。体重差を利用してゆっくり上昇したりゆっくり下降したりも可能に。面白い! しかしエイジの目線からパテマの目線に視点を移動すると──パテマが見下ろす空がめっちゃ怖い~怖いけど新鮮。視点をひっくり返すだけでこんなに日常の風景が見たことないものに変わるのって驚きです。

パテマを探しに来た地下の少年ポルタとエイジが出会うことで、パテマ救出作戦が始まるのですが、この後に驚きの展開が待っています。ここでは敢えてネタバレは書きません。私は何の情報もなく素直に見てしまったおかげでラストに感動することが出来ました。是非初見の方にはネタバレなしで楽しんでほしい。これがSFの醍醐味ですから。

ネタバレなしの補足。
[地下]
パテマ:長の娘。長はもう亡くなっている。
ポルタ:パテマの友だち。
ジイ:長亡き後パテマの後見をしてる人。
ラゴス:ジイの息子。何年も前から行方不明。冒頭でパテマがジイに叱られた後ラゴスが登場しますが、これはパテマの回想です。
[アイガ国]
エイジ:学生。父を亡くしている。