バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生
年 | 2016年 |
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時間 | 152分 |
監督 | ザック・スナイダー |
スーパーマンとゴッド将軍の戦いで自社ビルが破壊されるのを見ていた男がいた──それから2年後。バットマンことブルース・ウェインはスーパーマンの力を脅威と感じ、彼を排除することを考えていた。世論もその方向で沸騰するが、ロイスはこれは罠だと思う。しかしバットマンとスーパーマンはついに激突してしまう。2人の勝敗の行方は、そして裏で暗躍するレックス・ルーサー・ジュニアの企みは──。
最初に見た当時はDCユニバースのことはまだ知らなくて、マン・オブ・スティールの続編だと思って見ていたのですよね。だからバットマンの語りで始まるところに「?」となり、タイトルも何故バットマンが先?と疑問だった。後で分かったのですが、続編だったのは世界設定の方で、マン・オブ・スティールの世界でバットマンが主役やってるということだったようです。
しかし相変わらずシリアスでダーク…。バットマンとスーパーマンが戦う理由を真面目にシリアスにやり過ぎてる。まずはこの世界観についてこれるかどうかで評価も違ってくる気がします。私はついていけなかった…。いくらDCユニバース用のスーパーマンと言えども、マン・オブ・スティールの流れからスーパーマンが脅威という考え方を出されるのは辛い。そんなスーパーマンを見たい人がいるのだろうか。バットマンもおかしい。この流れに従わすためか、スーパーマンを排除することだけに執念を燃やす変な人になってる。
<ネタバレ>
一応後半で、こうなったのは全部レックス・ルーサー・ジュニアが裏で糸を引いていたからだと分かるのですが、それがちょっと分かりにくくてスッキリ爽快!に結びつかない。ロイスがアフリカに行った時、住民を襲撃したのは実はレックスの部隊だった(ロイスはその時拾った弾からレックスの仕業と気がつく)。レックスはロイスが危機に陥ればスーパーマンが助けに来ることを利用して、あたかもスーパーマンが現れたせいで住民が被害にあったかのように図った。スーパーマン脅威説を唱える議員も巧みに利用し、襲撃された住民の証言で世論を煽ったわけです。ゴッド将軍戦の被害者も議会の爆破に利用した。レックスはクラークの母を人質にスーパーマンとバットマンを戦わせ、ゴッド将軍の体からドゥームズデイまで作り出す。レックスの手の上で踊るだけで全然ヒーロー出来ないスーパーマンとバットマン…。
そんな鬱陶しい空気を一気になぎ払ってくれたのがワンダーウーマン! 颯爽と登場し、迷いなくドゥームズデイに切り込む。それだ!それだよ!見たかったのはこれなんだ!というかっこよさ、強さ、爽快さ、気持ちよさ。音楽までも違ってて、彼女の登場シーンだけはアガりました。ワンダーウーマンのことは全然知らなかったので、この強い女の人誰?と思ったら、パンフレットに不死のアマゾン族の王女でゼウスの子どもとあってびっくり。神の子って、何その女ソーな設定! どうりで強いわけです(惚。
しかしスーパーマンが死んだため、ドゥームズデイを倒しても、レックスが捕まっても、結局レックスの策にはまったままなのは変わらない(スーパーマンを倒すというレックスの目的は遂げられたわけだしね)というつまらなさ。ここまでシリアスにやる必要はあったのだろうか。
やっぱりスーパーマンやワンダーウーマンのような存在自体が非現実なキャラにはリアル路線は合わないと思う。バットマンなら普通の人間だからリアルでシリアスな路線でも合うと思うけど、スーパーマンたちが混ざるなら彼らの世界観を壊さないでやる方法はなかったのだろうか。結局、今作はスーパーマンファンには不満の残る面白くないものになりました…。