ハンコック

2008年
時間 92分
監督 ピーター・バーグ

ハンコックは駄目駄目なヒーロー。酔っぱらって空を飛び、事件解決に協力しても周りに及ぼす被害の方が甚大で人気も最低。しかし広告マンの命を救ったのがきっかけで心を改めるチャンスを得る。果たしてハンコックは皆に好かれる正しいスーパーヒーローになれるのか!?

のっけからやってくれます。冒頭から既に周りからはクズ認定されちゃってるハンコック。空を飛びスーパーマン並の力を持っているので一応ヒーローやるんだけど、破壊行為の方が大きくて迷惑かけまくり。それでもCGの出来やノリと勢いのよさですごく痛快でスカッとしちゃう。この辺は映像と見せ方とキャラのバランスが上手いのだろうなあ。こういう作品、好きです。

しかしそんな酔っ払いクズヒーローにも転機が。広告マンのレイはハンコックに命を救われたお礼に彼をまっとうなヒーローにする計画を立てる。まずはこれまでにかけた迷惑の償いをちゃんとやって、ハンコックのクズ性格を矯正指導。レイは本当にいいやつ。ハンコックが話を聞く気になったのも、レイが真髄に自分に向き合ってくれたからでしょうね。レイの息子アーロンもハンコックに憧れを示してくれたし。だがレイの再婚相手メアリーと出会ったことで…?

今作は駄目ヒーローという設定が新鮮で、スーパーマンのパロディみたいな面もあって、こういう形でならヒーローたちの活躍って実は町破壊してない?な突っ込みとしても楽しめる。それだけでも十分面白いが、ハンコックの内面もちゃんと掘り下げてくれているので、共感できるシリアスな部分もあり、むしろそういうところで見る人の心をつかむ作品かも。自分的にはけっこうツボな作品でした。

<ネタバレ>

ハンコックは80年前に頭に怪我をしてそれ以来歳も取らずに超人的な力が身についた──と自分では思っていた。記憶喪失でそれ以前のことは分からない。が、レイの妻のメアリーと出会って、実はメアリーが自分と同族で3000年前から夫婦だったと分かる。だがハンコックとメアリーには2人が結ばれると普通の人間になってしまうという弱点があった。だから80年前メアリーはハンコックから去ったのだった。ハンコックがヒーローを続けられるように。

しかしそれを知るためにハンコックとメアリーは壮大な夫婦バトル(スーパーマンvsスーパーウーマンレベルの町ブッ壊しの超バトル)をすることになり、いやはや何とも、もう(笑。更に2人の関係がレイにばれ、ハンコックが刑務所送りにした極悪犯たちが復讐に来たりして色々大ピーンチ!になるのですが、そこでハンコックは決断する。メアリーを生かすために今度は自分が去る番だと。

ハンコックもメアリーもそれぞれ切ない。それでも、ハンコックのメアリーを思う気持ち、メアリーのハンコックを思う気持ち、レイのハンコックとメアリーを思う気持ちはしっかり伝わったので、私にはそれで十分です。

駄目ヒーローを卒業し、メアリーとレイを遠くから見守りながら正しいヒーローとして活躍するハンコック。これは1人の男が自分の存在意義を確かめて本物のヒーローになる物語でもありました。ラストでハンコックが月に悪戯してレイを励ますシーンにじんとする。かっこいいよ、ハンコック。