トゥームレイダー2
年 | 2003年 |
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時間 | 117分 |
監督 | ヤン・デ・ボン |
ギリシャの地震で海底に埋もれていた"月の神殿"が姿を現した。調査に行ったララは神殿から光る球を見つける。それは伝説の"パンドラの箱"の在処を示すものだった。"パンドラの箱"には恐ろしい疫病が入っていると言われており、生物兵器の研究者であるライス博士も箱を狙っていた。ララはライス博士に"パンドラの箱"を渡さないために奮闘することになる。
トゥームレイダー2作目。1作目も2作目もお話としてはそれぞれ単独で完結しているので、今作単体でも楽しめます。前作から続投のキャストは執事と補佐役のプログラマーだけです。ララのお相手役も前作とは違う男性。この辺、毎回ヒロインが変わる男性アクションものの逆パターンになってて面白い。ただララのお相手役は一筋縄ではいかないお人が多いようですが…(^^;。
今作もアクションは迫力たっぷりで楽しませてくれる。前作もそうだったけど、今回も舞台設計が立体的で、陸・海・空360度全開であらゆる方向から攻めてくれるのがいい。それも手を変え品を変え様々なステージを見せてくれて、かつどのステージも手を抜かずみっちり作り込んできてくれてる。このシリーズは役者さん(アンジェリーナ・ジョリー)が逸材でしたね、彼女の運動能力のすごさがアクション作品としてのレベルを押し上げてる。中身がなくてもアクションがよければいいんです、それがアクション作品だから。
今回も舞台はギリシャから始まり、カザフスタン、中国の奥地、上海、香港、アフリカと世界を駆け巡ってくれます。カメラワークがなかなかよくてスケール感があり、各地の映像見てるだけでも楽しい。ギリシャは絵のようにきれいだったし、アフリカは雄大さが出てて、冒険の雰囲気を高めてくれてました。
<ネタバレ>
前作は「父への想い」が軸だったけど、今作では「内に秘めたララの愛」を見せてくれてちょっと「おお!」と思わせてくれた。相手役のテリーは過去に付き合ったことのある男で、前作よりはずっといい男。こいつも食えないヤツでしたが、ララへの愛は本物だったと思う。終盤でララがピンチの時駆けつけてくれた時にはヒーローに見えたほどだった。ララの彼を思う気持ちも本物だったと思う。ただね…価値観がちょっとね…合わなかったですね…最後の最後になって。ここでどういう決断をするかでその人の価値が分かると思う。ララの決断は…涙なしに見られないものだった。こうなるのを恐れたから、こうなって欲しくなかったから、彼を愛していたからこそ途中で別れたのに。ここにララというキャラクターがよく表れていると思いました。
ライス博士も悪玉としてなかなかでした。"パンドラの箱"の中身を売りつけようって…研究者でしょ、商品くらい自分で作りなさいよ、自分で(いや、そんなの作られても困るけど^^;)。ところで香港の地下にあったライス博士の細菌研究所にデカデカと書いてあった文字「美容香水」が気になってしかたがないんですが。細菌の研究してるんじゃないの? 美しくなる香水も作っておられるのかしら(笑。
敵とお宝の争奪戦になるのは前作とパターン同じですが、アクションは似たようなステージにならないよう工夫されてるし、何よりララが強くてかっこいいのが楽しい。ギリシャの海ではまさかのサメパンチ! サメと肉弾戦するヒロインてのも初めて見たわ。ビルからウイングスーツで滑空するのも見応えあった。滑空先に船が待っててパラシュートできっちり着地するのも決まっててかっこいい。アフリカの"生命のゆりかご"には超常的モンスター(影の番人と呼ばれてた)まで登場。飽きさせないで楽しませてもらえました。
執事のヒラリーとプログラマーのブライスの出番がちょっと少なめだったのが残念。今回はテリーとの冒険行がメインだったからしかたがないけど、ラストで2人が花婿にされかかってたのには笑いました。頭を使わずに見られるので息抜きにいい作品です。