マッケンナの黄金

1969年
時間 128分
監督 J・リー・トンプソン

アパッチ族に伝わる「黄金の谷」の伝説。だがその場所は誰も知らない──。1872年のアメリ西部、保安官のマッケンナはアパッチの酋長に伝わる地図を見たことから、黄金を探すならず者たちに谷への案内人にされる。黄金の谷の噂を聞きつけた町の人々やイギリスの探検家も一行に加わり、黄金を探す冒険が始まる。果たして「黄金の谷」は本当にあるのか、黄金に魅せられた人たちの行く先に待つものは何か──。

子どもの時、親に連れられて映画館で見て大好きになった映画。当時の目玉だったシネラマ方式の作品で、大画面に映るグランドキャニオンの絶景はまるで3Dでもあるかのようにスクリーンからせり出して見えました。パンフレットによるとオレゴン、アリゾナ、ユタ、カリフォルニアの4州で大がかりなロケを行ったそうです。子どもにはこれだけでも十分に興奮できるものでした。

基本は西部劇ですが、黄金伝説を巡る冒険劇と終盤に大がかりな一大スペクタクルを持ってきたことで、インディ・ジョーンズシリーズの先駆けのようなアドベンチャーアクション大作にもなっています。終盤の特撮によるクライマックスは当時の売りで、これを目当てに見に行った人もいたのでは。今見るとCGを見慣れた目には物足りないかもしれませんが、当時の人たちが喜んで興奮できたと言うことが大切。

マッケンナは「黄金の谷」を示す地図を見たことで黄金探しに巻き込まれるのですが、子ども心にも地図を丸々覚えていられるマッケンナの記憶力すごいなーと思った…。私は覚えられませんでした(後でパンフで確認しました^^;)。地図のポイント地点を通過する度に地図の絵と実際の光景が重なる描写はだんだん冒険が進んでいく感があって面白かったです。ちなみに心の隅であんなアバウトな地図でよく案内できるなと思ったのはナイショ。

後年スターチャンネルで録画入手したのですが、大人になって見直してみると冒険だけでなく黄金に執着する人々の描写もやっていることに気付く。マッケンナとは因縁の仲のお尋ね者コロラド、ヒロイン、マッケンナの元恋人、町の人々や冒険家、彼らを追う騎兵隊、アパッチの軍団、それそれが繰り広げる黄金へのドラマとは…。

<ネタバレ>

マッケンナもかつては「黄金の谷」を探したことがあったが、今はもう黄金への興味はない。アパッチの酋長プレーリー・ドッグを看取ったマッケンナは「黄金の谷」の地図を燃やした。ならず者のコロラドはマッケンナを捕らえて銃を奪い、谷への案内を要求。マッケンナは解放(銃の返却)を条件に案内を承諾する。コロラドが人質にさらってきた娘はマッケンナを保安官に推薦した判事の娘インガだった。コロラドの仲間は白人だけでなく先住民もおり、やっかいなことにマッケンナの元恋人ヘシュケまでいた。おかげで黄金探しの合間にヘシュケの嫉妬がしばしば炸裂。子どもの時もヘシュケ怖いなあと思ったけど、大人になってもやっぱり怖いわ…。

途中から参加した面々は、白人で1人だけ「黄金の谷」を見たと言うアダムス老人と彼の話を聞いた人たち。皆さん黄金への欲に目が眩んで駄目になっていく様を見せてくれます。牧師様は登場時点で既にアレでしたが、一番アレだったのは騎兵隊のティブス軍曹ですね。マッケンナたちを追跡してると見せかけて最後は部下を撃ち殺して黄金探しの仲間になるんだもん。黄金、恐るべし。

結局残ったのはマッケンナ、コロラド、ハチータ、ヘシュケ、インガ、ティブスの6人。「黄金の谷」は「揺れる岩」の影が示す先に入口があった。ついに見つけた黄金の前ではインガの心すらも揺らぐ。醜い分け前争いが勃発し、プレーリー・ドッグの魂が怒ったのか、アパッチ軍団が谷に入ってきた時、谷が大崩壊する一大スペクタクルが発動。コロラドたちの言葉を借りればアパッチも変わったと。黄金の価値を知って以前のアパッチではなくなったと。だからプレーリー・ドッグは1人地図を持って部族から離れたのかもしれない。

お宝を見つけたらお宝の場所が崩れるのは今作が走りかも知れませんね。宝の地図、吊り橋渡り、馬アクション、敵軍団(騎兵隊、アパッチ)との攻防、クライマックスの大崩落、見事にインディ・ジョーンズしてます。難しいことは考えずひたすらアドベンチャーを楽しむ元祖と思えばいい。

からくも逃げ延びたマッケンナ、インガ、コロラド。マッケンナはコロラドを逃がしてインガと帰途につきますが、マッケンナの乗った馬はティブスが黄金を積み込んでいた馬だったのでした。コロラドは悪人だったけど、実はパリの生活に憧れてたりして憎めないところのあるキャラでした。コロラドはパリに行けたのでしょうか(笑。

突っ込みどころがないわけではないけど、子ども時代に印象強かった作品は心の宝。その思い出はこれからも大切にしていきたいです。私にはこの作品そのものが「黄金の谷」だったよ。