トロイ

トロイ ディレクターズ・カット BD

2004年
時間 163分
監督 ウォルフガング・ペーターゼン

3200年前。ギリシャとトロイは和平を結ぼうとしていたが、トロイの王子ハリスとスパルタ王の妃ヘレンが恋仲になり、パリスがヘレンをトロイへ連れ帰ったため両国は全面戦争状態に。トロイに勝つためにギリシャ王アガメムノンは最強の戦士アキレスを召喚。ギリシャ軍はトロイの浜辺を占拠するも鉄壁を誇るトロイの城壁は敗れない。戦争を巡り入り乱れる人間模様の中、アキレスの親友オデュッセウスはある策を考える──。

トロイ戦争を描いた歴史スペクタル。初めて見た時は冒頭とラストのナレーションが誰なのか分からなかったのですが、ムービープラスで放映された時に見直してやっと分かりました。アキレスの親友のオデュッセウスですね。登場人物が多いので、アキレスやトロイの王子兄弟ヘクトルとパリスたちの影に隠れてしまって目立たなかったので気がつきませんでした…ご免なさい、オデュッセウス(><。

歴史スペクタルだけあって戦闘シーンは見応えあります。CGが使えるようになってからの作品なので広大な海一面に浮かぶ大量のギリシャ船団とか、広大な面積で大量の兵士たちが入り乱れて戦う壮大さとか、他にも背景のギリシャの風景も美しくてうっとりします。

登場人物が多いのでちょっと整理しておきます。ギリシャ神話ではなく映画内での呼称・立場で書いてます。
ギリシャ側
アキレス:ギリシャの最強戦士。歴史に名を残すために戦うが、捕虜になったブリセウスに愛を知る。
アガメムノン:ギリシャ王。アキレスとは仲がよくないが、勝つためにアキレスを呼ぶ。
メラネオス:スパルタ王。アガメムノンの弟。妻のヘレンをトロイの王子パリスに奪われる。
ヘレン:メラネオスの妻。パリスを愛しトロイに行く。
オデュッセウス:イタケー王。アキレスの親友。ギリシャ軍の参謀でトロイの木馬を考案する。
パトロクロス:アキレスのいとこ。軍の士気を高めるためアキレスを装って戦い、ヘクトルに敗れる。
トロイ側
ヘクトル:トロイの王子。パリスの兄。トロイの勇者。
パリス:トロイの王子。ヘクトルの弟。メラネオスの妻ヘレンを愛しトロイに連れてきてしまう。
ブリセウス:ヘクトル&パリス兄弟のいとこ。神殿の巫女。
プリアモス:トロイ王。

他にもいっぱいいますけど、取りあえずこの方々を覚えておけば混乱しなくて済むと思います。スペクタクルな部分もいいけど、本当の見どころはこの人たちを巡る人間模様ではないかと思います。発端はパリスとヘレンの立場をわきまえない恋なので、あんたらのせいで悲劇がーと突っ込みたくなるけど、これは神話にも書かれてる有名な話なので、トロイ戦争でここを変えるのは無理なのでしかたないですね。しかし発端以外の所は神話ではなく人間ドラマとして描かれているので、どの人がどのような運命を辿るのかハラハラしながら楽しめます。

<ネタバレ>

映画での展開として。最初は愛のためなら国など捨ててもいいと思っていたパリスが、自分のせいで起きた戦争と兄の死を目の当たりにして、最後はヘレナを逃がして国のために戦うようになる。最初は名を残すためだけに戦っていたアキレスが、ブリセウスを愛したことで、最後は戦いよりもプリセウスを選ぶ。この変化の対比が面白いと思いました。ヘクトルが目立ってたので物語の中程ではちょっと影が薄くなっていたパリスですが、最後にアキレスのアキレス腱に矢を射てアキレスを倒したのはパリスでしたね。映画の中ではパリスは逃げ延びて生き残れたようにも解釈できるので、もしそうならこれからは父と兄の分も頑張れよと言いたくなるのでした。

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