インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国

インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 BD

2008年
時間 123分
監督 スティーヴン・スピルバーグ
制作総指揮 ジョージ・ルーカス

1957年、ソ連兵に拉致されたインディはネバダ州のエリア51に立っていた。ソ連兵は、ロズウェル事件で回収されたミイラの木箱を見つけ出すよう命じる。箱が見つかった隙にインディはかろうじて逃れ、コネチカットへ戻るが、そこへ1人の青年が現れて母を救って欲しいと言う。そこからクリスタル・スカルを巡るインディの新たな冒険が始まるのだった。

インディシリーズ4作目。3作目からなんと約20年の時を経て作られた作品。時代設定も3作目から19年後になり、インディを演じるハリソン・フォードも劇中と同じだけ年齢を重ねた無理のない設定に。ただ、映画館の予告で新作を知った時は、思わず「ハリソン・フォード様、そのお歳でそんなアクションされて大丈夫なんですかっ!?」と心配になりましたが、実際に見てみたら全然大丈夫でした(^^;。なお今作は1作目(レイダース)からつながる設定があるので、先に1作目を見て予習しておいた方がいいと思います。

今作の舞台は第二次世界大戦後へ。敵もユダヤから冷戦時代のソ連へ変わり、今回の敵ヒロインはソ連兵のイリーナ・スパルコ大佐。毎回超常要素が登場するインディシリーズですが、今作ではイリーナが自称超能力者で、クリスタル・スカルの神秘の力を欲しているという設定。クリスタル・スカルとは水晶で作られた髑髏のことで、その精巧さからオーパーツ扱いされることが多い。ただ本当に考古遺物かどうかは怪しいようですが、人はロマンを望むものだしね。今作のクリスタル・スカルは果たして!?

今回インディに冒険を持ち込んだのはマット・ウィリアムズという青年。母親から助けを求められてインディを尋ねた。彼の父親代わりのオックスリー教授が危ないらしいが、マットと彼の母親というのが実は──? オックスリーはインディの旧友だったため、オックスリーの手紙に秘められた謎を解いてマットと共にクリスタル・スカルを探しに行くことになるインディですが…。

映画制作も聖戦から19年、2008年のCG技術で舞台装置も壮大になりました。ペルーの冒険、アマゾン奥地の伝説のエルドラド(黄金郷)アケトー、ラストで明かされるクリスタル・スカルの謎、ここは素直に壮大さに浸って楽しむべし。

<ネタバレ>

マットの母親が1作目に登場したマリオンで、マットはインディの息子だった! インディもマットもそのことを知らなかったので、知った後の2人の反応が笑えます。旧作ファンにはマリオンが再登場してくれたのが嬉しい。彼女もいい年齢を重ねてきましたね。インディとマリオンの2大柱が立ったことで、キャラ掛け合いの面白さも健在。マットの本名がヘンリー・ジョーンズ三世だったのも、なかなか濃い設定で…(笑。

作中のクリスタル・スカルは400年くらい前にアケトーから盗まれたもので、クリスタル・スカルを見つけてアケトーに返した者は神秘の力を授かると言われてるらしい。イリーナたちがエリア51に侵入したのもクリスタル・スカルの手がかりを掴むためですね。そこに関わってくるのがロズウェル事件なので、アメリカの宇宙人信仰が元になっているのが分かります。作中ではクリスタル・スカルの持ち主は宇宙人ではなく異次元人という設定ですが、見た目が明らかにグレイだし、彼らが古代の地球人に文明をもたらしたというところも「古代の宇宙人」と同じだし。"宇宙人伝説"をアークや聖杯と同じスタンスにしてしまうところがある意味アメリカらしいなあ、と。

今作でも限界を超えて力を欲しがったイリーナや金のために裏切ったマックなど、欲深い者は自らの欲で身を滅ぼす。インディは異次元人たちが集めた宝の山を見て彼らは考古学者だったのだと言う。伝説の黄金とは「知識」だったのだと。ラストでやっと家族になるインディとマリオンとマック。オックスリーも正気に。

大学に戻って副学長になったインディ。1作目公開から数えると27年越しのエンディングは本当によかったなあと思いました。インディの帽子が風に吹かれてマックに引き継がれる…と見せかけて、まだまだ現役は譲れないよみたいにトレードマークの帽子を被るインディ。余韻を持たせる粋な終わり方でした。