太陽の王子 ホルスの大冒険
年 | 1968年 |
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時間 | 135分 |
監督 | 高畑勲 |
父と2人だけで暮らしていた少年ホルス。ある日ホルスは岩男モーグの肩から「太陽の剣」を抜き取る。父が亡くなり、遺言に従い人間の住む村へ向かったホルスだが、その行く手には悪魔グルンワルドが待ち構えていた…。
今やすっかり有名になった宮崎駿・高畑勲・大塚康生らが若き日に手がけた作品で、その筋のファンにとっては原点とも称される作品。
当時の劇場用長編アニメーション大作で、私は子どもの時にこれを映画館で見ています。今から思えばなんという贅沢な体験をさせてもらっていたのだろう…。後年、BDを手に入れて見直してみたのですが、記憶にある豊かな動きは今でも健在でした。
今の感覚から見たら展開のしかたなどに古い様式が残っていたりしますが、60年代後半から既にこんな凄い作品があったことにあらためて驚いてちょっと感動しております。
ストーリーは簡単に言うと「村を滅ぼしにきた悪魔グルンワルドとホルスたちの戦い」で、テーマは「仲間と力をあわせることの大切さ」…なんですが、実はこの作品、子どもにはちょっと難しい面がありました。当時小学生だった私は、映画ならではの迫力にワクワクしつつも、よく分からないところもあって一部「??」状態で見ていたのです。
特に??だったのが「迷いの森」のシーン。そこでホルスは何か悩んでるふうで、最後には「分かったぞ~」と叫ぶのですが、何が分かったのか分かりませんでした(^^;。今見ると、子どもに見せるものにしてはえらく観念的な描き方してますね。物語の要といえるホルスの決意とテーマに関わる部分をあんな抽象的な表現にしたらそりゃ子どもには分かりませんって。
逆に言うと、子ども向け劇場作品でよくこんな冒険をしたな、と思いました。それもアニメファンの間で高評価を呼び、伝説化するようになっていった所以かと思います。子どもにはもったいないくらい贅沢な作りだったのは確かですね。
ジブリファンなら全ての流れの源流を知る意味でも見る意味はあるかと思います。