バタフライ・エフェクト2
年 | 2006年 |
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時間 | 92分 |
監督 | ジョン・R・レオネッティ |
ニックは恋人ジュリーの誕生祝いに友人たちと4人でドライブに来ていた。だが帰る時の自動車事故でニックだけが生き残り、ジュリーも2人の友人も失ってしまう。だが1年後、ジュリーの撮った写真を見ているうちにニックは事故直前の車の中に戻る。事故を避け、現在に戻ってきたら過去が一変していた。ジュリーを取り戻したニックは更に状況を良くしようと過去に戻るがその結果は…?
バタフライ・エフェクトに2作目があると知り、レンタルして見てみました。主人公とメイン登場人物は違いますが、ニックの見ていた資料にエヴァンの父が出て来るので、前作と世界はつながっているようです。話の内容は前作とは独立しており、今回はニックが体験したバタフライ効果の物語。
ニックの過去へ戻れる力は父親から受け継いだというところは前作の設定を踏襲。今回は日記ではなく写真を見ると過去に戻るという仕組みです。過去旅行を繰り返すと脳に負担がかかるようですが、前作と違って現在へ戻って来ても改変後の記憶が再生されることはないようです。そのため状況が分からないままニックが動きまわることになり、その辺はちょっとサスペンス風味ではある。
今作でも過去で何かを変えるとその結果が未来に影響します。ニックとジュリーだけでなく友人のトレバーとアマンダにも改変の影響が波及する。ニックも前作の主人公同様、過去を良くするために繰り返し過去改変にトライしちゃうのですが、さてその結果は…。
今回の結末には正直、不満。前作がよかっただけに、もう少し努力してほしかったなと思います。ただ過去を変えることについて考えさせてくれる…というところは機能しているので、人によってはこれはこれでありなのかもですが。
<ネタバレ>
事故直前に戻ったニックは事故をかわし、4人全員生き残れる未来に変わる。けど会社をクビになったことで、クビにならない未来を作ろうとしちゃうのですね。ところがその未来は思いがけない方向に進んでいた。副社長になった代わりにジュリーとはいつの間にか別れてるし、成功したと思っていた商談も破談しており会社も傾きかけてる。あげくにトレバーも、ジュリーさえも不幸な運命に。
で、ニックはジュリーの夢を最優先して自分は身を引く覚悟を決めて、車に乗る前の岩場シーンまで戻るのですが…。ここでも失敗。取りあえず、ニックにはジュリーの話を聞けよと全力で言いたい。やり直すなら、そこからだろうが! でもニックは飛び出したジュリーを事故に遭わせないために自分が犠牲になる道を選んじゃう。死で解決してはいけないとどれだけ言ったら…。今作のポイントはニックが「俺が先」ではなくて「ジュリーの話を先に聞くことが一番大切」なことに気付けるかどうかだったと思うのです。それをちゃんとやって欲しかったですね。
なお最初の改変は一見上手く行ってるように見えたけど、妊娠してたはずのジュリーの赤ちゃんがいません。つまり事故で流産したということですね。ジュリーが言ってた「事故で失ったもの」はニューヨークに行く夢ではなくて赤ちゃんのことだったのでは。しかしジュリーの話を聞いていなかったニックは赤ちゃんのことを知らずニューヨークへ行く夢の方だと思い、それが間違った決意になってしまったのではと思います。
今作で感じたこと。過去ではなく今を大切にしようと言うのもありますが、個人的に一番大きかったのは、
彼女の話を先に聞いてあげて下さい。
ですね。男性・女性に関わらず相手の話を聞くことの大切さをひしひしと感じた作品でもありました…。