キャプテン・マーベル
年 | 2019年 |
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時間 | 124分 |
監督 | アンナ・ボーデン ライアン・フレック |
惑星ハラのクリー帝国で戦士として鍛えられる日々を送るヴァース。彼女には過去の記憶がなく、クリーの宿敵スクラルに襲われたせいだと上官に説明されていた。仲間と任務に赴いた時、スクラルとの戦闘で脱出・不時着した先が1990年代の地球だった。スクラルの目的は地球にあり、自分の失われた記憶にその鍵があるらしい? 不時着地で出会ったニック・フューリーと共にスクラルを撃退させようとするヴァースだが──?
「キャプテン・マーベル」見てきました。女性ヒーロー、キャプテン・マーベル誕生物語なのですが、ヴァースことキャプテン・マーベルがもう
強い、強い、強い、強いーー!!
強いらしいとは聞いてたけど、本当にスーパーマンレベルなのですね! それはもう超気持ちよくスカーーーーッとさせてくれます。これは確かに切り札になるわ…ニックが呼んだのも分かる。そしてそんな超強い彼女が何故インフィニティ・ウォーの時いなかったかの理由もこの作品で明らかに。
舞台は1990年代なので、若いニックやコールソンも出てきます。ニックは両目だし、コールソンを再び見られるのも嬉しい。懐かしいウインドウズも出てきて、そうそうあんな画面だったーとストーリーと関係ないところで喜んでいたり(笑。若い面々も地球方面だけでなく、これまでのアベンジャーズシリーズに出てきた宇宙方面の方々の再登場も。ということで、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」未見の方はこちらも見ておくといっそう楽しめると思います。クリー帝国もガーディアンズで名前が登場した国で、ガーディアンズを見ておけば「あー、あのクリーね」と分かりますので。ところでクリー人ってみな青色かと思っていたけど、そうじゃない人もいたのね…(ちなみに肌が青くなくても血は青いのがクリー人ということらしい)。
なお、ヴァースという名前は記憶をなくしてからの呼び名なので(彼女の上官ヨン・ロッグが名付けた)、本名は別にあるのですが、それが明らかになるのは後半なので、ネタバレなし段階では取りあえずヴァースと書かせていただいております。
今回敵対するスクラルは見た相手なら誰にでも変身できるので、そこがやっかい。DNAレベルで模倣できるので、区別がつきません。地球に潜入してきた時もさらっと地球人に化けるので、誰が本物か分からなくなる。しかも同じ姿を保つわけではなく状況に応じてどんどん姿を乗り換えていくので、アクション主体ながらサスペンス要素もありの作品に。ヴァースの過去の謎解きも絡んでくるので、ネタバレなしで感想書くのが難しいです;;。
人物関係の整理
ヴァース:クリーの特殊部隊スターフォースのメンバー。キャプテン・マーベル。
ニック・フューリー:シールドのエージェント。
フィル・コールソン:シールドの新人エージェント。
ケラー:シールドLA支局長。ニックの上司。
マリア・ランボー:アメリカ空軍のテストパイロット。
[クリー特殊部隊スターフォース]
ヨン・ロッグ:隊長。ヴァースを指導。
コラス:副官。
ブロン・チャー:メンバー。
アット・ラス:メンバー。
ミン・エルヴァ:メンバー。
[クリー帝国]
ロナン:クリーのエリート軍隊アキューザーズの司令官。
[スクラル]
タロス:スクラル軍人。
<ネタバレ>
いつもの通り、事前ネタバレは一切見ずに映画館に臨んだので、キャプテン・マーベルが本当は何人かも全く知らないまま見たわけです。おかげでスーパーマンみたいに宇宙人なのかな?それとも特殊な力を身につけた地球人なのかな?と楽しめました。正解はクリー人の血の入った地球人でしたね。いや、ハーフではなく言葉そのまんまです。元は地球人だけど、ヨン・ロッグの血を輸血してクリー人の能力も得たという設定(だから今は青い血になってる)。ということで、ネタバレありのキャラ紹介では、
キャロル・ダンヴァース(ヴァース):元地球人。アメリカ空軍少佐でテストパイロットだった。キャプテン・マーベル。
マリア・ランボー:キャロルの親友。
ローソン博士:故人。ペガサス計画で新しいエンジンを開発していた。実はクリー人で、本名はマー・ベル。
ということになるので、以降はヴァースではなくキャロルと呼ばさせていただきます。
そして後半、どんでん返しがあります。敵かと思っていたスクラルは敵ではなかった! 本当の敵はクリー人の方だった。キャロルがスクラルに襲われたというのは嘘で、キャロルを襲ったのはヨン・ロッグだった。色々な惑星を襲っていたのもクリーの方だった(確かにヨン・ロッグがロナンと連絡取ってた時点で「え、ロナン…あのロナン?怪しい…」とは思ったけど^^;)。スクラルはクリーに追い詰められて逃げようとしていただけだった。不毛な惑星戦争に疑問を持ったローソン博士はスクラルの側に付く。博士のエンジン研究はスクラルのためだった。
それでヨン・ロッグがローソン博士の研究を取り返しに来たわけですが、その時の襲撃事故で博士は亡くなり、パイロットとして一緒に試験飛行していたキャロルはライトスピードエンジンのコアパワーを体内に取り込んでしまう。しかたなくヨン・ロッグはキャロルごとクリーに持ち帰って、嘘を仕込んでクリーのための戦士に育てようとしていたわけです。
本当の記憶に辿り着いたキャロルはスクラルをローソン博士の秘密ラボ(スクラルがキャロルの記憶から探そうとしていた所)へ送り届けることに。今作はキャロルの親友のマリアもポイントですね。キャロルが生きていたことを喜び、ニックと共に協力します。女どうしの"友情"を前面に押し出した描き方は、これまでにあったようでなかったもの。ローソン博士との関係も同じく(こちらは尊敬と信頼の対象として)。原作では「マー・ベル(ローソン博士の本名)」は男性だそうですが今作では女性に変更して、女性から女性へ「マーベル」の名と意思を継ぐ──という形になってます。
ラボがヨン・ロッグたちに見つかって危機に陥るも、自分が何者か見いだしたキャロルはクリー人に付けられた制御装置を外し覚醒。その後はひたすら
強い、強い、強い、強いーー!
空は飛ぶわ、真空でも平気だわ、身一つで一撃で宇宙船を木っ端みじんにするわ、覚醒前も強かったけど、もう次元の違う強さで魅せてくれます。あー気持ちよかったー。
この後キャロルはローソン博士(マー・ベル)の意志(戦争を終わらせる)を継いでキャプテン・マーベルとなり、スクラルたちと共に地球を去ります。その時ニックに渡したのが改造ポケットベル。インフィニティ・ウォーのエンドロール後でニックが送信したのがそれ。銀河規模で届くのだそうで、そりゃあ宇宙のどこにいても呼び出せるわけだわー。
アベンジャーズとの関連
ニックは今回の件で地球外にも脅威があることを知る。そしてキャプテン・マーベルのようなヒーローがいることも知る。そこからヒーローを集めて宇宙からの脅威に備えるという、彼のアベンジャーズ計画の発端となったわけです。
インフィニティ・ストーン
ライトスピードエンジンのパワー源として四次元キューブが出てくるのですが、あれ? 最初のキャプテン・アメリカ(1942年)のラストでハワード・スタークが回収したはずだけど…何かの理由(シールドからアメリカ軍に貸し出すとか)でローソン博士の手に渡っていたのだろうか…。基地にいた猫(実はエイリアンだった!)がキャロルたちにくっついてきて博士のラボで四次元キューブを飲み込んでしまうのですが、どういう経緯だったんだろ。
そしてエンドロールの途中。インフィニティー・ウォー後、地球生き残り組がニックのポケベルの反応を見守っている。そこへキャプテン・マーベルが登場、「フューリーは?」と聞いてエンドロールの続きへ。
エンドロール後にあの猫が出てきてニックの机で四次元キューブを吐き出して幕。最初のアベンジャーズのキューブはこれ?
キャプテン・マーベルも加わってエンドゲームがますます楽しみになってきましたよー。